
「グローバルな製薬会社でありながら、メガファーマとは一線を画すユニークな経営で免疫学領域におけるリーディングカンパニーの地位を確立していく」
ノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文氏も研究する免疫疾患の領域に特化したベルギー発祥の企業。本来なら自分の体を守る免疫が何らかの理由で異常を来し、体の一部を攻撃してしまう自己免疫疾患は約140疾患あると言われる。中でも筋肉の力が弱くなる「重症筋無力症」や「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎」、血小板が減少して出血しやすくなる「免疫性血小板減少症」といった難病に対する新規抗体医薬品を手掛ける。
1つの抗体医薬品から複数の疾患に対する適応を追求する独自戦略も展開。主力薬「ウィフガート」「ヒフデュラ」の2剤合わせて15以上の適応症への拡大に向けて臨床試験を行う。「(動物の)ラマの抗体研究から薬になり得る抗体を見出すべく起業」。2008年の創業以来、2剤を投入し、世界で約2万人の患者の治療に貢献。24年12月期の売上高は約3200億円だ。
また、若い企業であるからこそ他とは違う戦略をとる。「ベルギーは研究を行うリサーチラボ、米国は最大市場、そして日本はイノベーションのハブと位置づけ、階層がないフラットな組織運営で協業を展開する」
独自の免疫学イノベーションプログラムを通じて米テキサス大学などの学術研究者と協業し、製造はスイスのロンザや富士フイルムに委託し、自社の製造拠点はない。また、ヒフデュラの皮下注射も専門メーカーの協力を得て開発。内製化しがちな製薬メーカーの中では稀有な存在だ。
30年までに世界で5万人の難病に苦しむ患者の治療に貢献する考えで、新たに5つの新薬候補を数百から数万人の患者を対象とする治験のフェーズ3に進展させていく計画を描く。
自身は医師の出身。「家族親族に医師は1人もいなかったが、好奇心から医師の道を志した」。休日は4年前から始めたロードバイクで身体を動かす。
profile
1976年岐阜県生まれ。2001年岐阜大学医学部卒業後、同大学病院などで医師として精神科臨床に従事。08年日本イーライリリー、17年MSD、19年ブリストル・マイヤーズ スクイブ入社後、22年から血液・腫瘍領域の事業部長、執行役員兼バイスプレジデントなどを経て、25年6月から現職。
日本ストライカー社長・水澤 聡「医療機器業界のリーディングカンパニーとして、 日本の医療現場にイノベーションを届けたい!」