NTT東日本 埼玉支店と飯能信用金庫は11月6日、「地域活性化に関する包括連携協定」を締結したことを発表した。

ICT・DX(デジタルトランスフォーメーション)を軸に地域の課題解決に取り組んできた通信事業者と、地域密着型の金融機関が連携することで、地域が抱える複合的な課題の解決と持続可能な地域社会の実現を目指す。

両者は防災力の向上、教育現場のICT化、スマート農業の推進、生活インフラの維持管理、カーボンニュートラルの実現など、多岐にわたる分野での協働を進めていく。

  • 飯能信用金庫とNTT東日本による包括連携協定の概要(提供:NTT東日本)

    飯能信用金庫とNTT東日本による包括連携協定の概要(提供:NTT東日本)

協定の概要

今回の協定は、埼玉県央・西部エリアにおける「安心安全なまちづくり」と「地域活性化」を目的としたもの。協定の内容は、次の4項目となる。

1.持続可能な社会に向けた地域全体のカーボンニュートラル推進
2.広域災害対策による災害時における地域のレジリエンス向上
3.地域基盤を支える生活インフラの安全かつ効率的な維持管理
4.次世代教育や次世代農業等による地域活性化に資する取り組み

協定締結式では、NTT東日本 埼玉支店長の小池哲哉氏が、同社が掲げるパーパス「持続可能な地域循環型社会の実現」に触れつつ、以下のように述べた。

「ICTやDXが生かせる領域として、防災、インフラ、エネルギー、教育、農業を重点に取り組んできました。これらの取り組みを地域に実装していくには、地域の実情をよく理解し、企業や行政との関係性を築いてきた飯能信用金庫と連携することで、よりソリューション提案の説得性と実行力が高まると考えています。ともに地域課題の解決を加速させていきたいです」(小池氏)

  • 協定締結式で挨拶する、NTT東日本 埼玉支店長 小池 哲哉氏

    協定締結式で挨拶する、NTT東日本 埼玉支店長 小池 哲哉氏

一方、飯能信用金庫 理事長の松下寿夫氏は、同金庫がこれまでに企業24社(NTT東日本を含む)、大学14校、行政11機関と連携してきた実績に触れ、地域と協働しながら課題解決を進めてきた体制を紹介した上で、次のように述べた。

「情報・通信技術を基盤に地域を支えるNTT東日本と、金融を軸に地域と向き合ってきた当金庫は、地域内の結びつきを生み出す役割に共通点があります。今回の協定を通じて関係をより強固にし、持続的な地域の成長と課題解決につなげていきたいです。具体的な展開が今後さらに広がっていくことを期待しています」

  • 今回の連携について思いを述べる、飯能信用金庫 理事長 松下 寿夫氏

    今回の連携について思いを述べる、飯能信用金庫 理事長 松下 寿夫氏

協定に至る経緯

両者は約2年前に特定の案件で協働したことをきっかけに交流が続いていた。そのやり取りの中で、地域の課題に向き合う際の考え方や方向性に近いものがあるとわかり、地域の課題に取り組むにあたり「一緒に進めていく方が良いのではないか」という話が出ていたという。

NTT東日本はICT・DXに関する手段や知見を持ち、飯能信用金庫は地域に根ざしたリレーションや関係組成力を持つ。それぞれの強みを組み合わせることで、地域の課題に対してより実践的な取り組みができるのではないか、という考えが共有されていた。

実際、NTT東日本は「飯能信用金庫と連携することが地域課題の解決に向けた近道になる」と感じていたといい、飯能信用金庫も「大企業の技術や信頼を地域に届けたい」と考えていた。こうした考えを踏まえ、継続的に取り組みを進められる枠組みとして、今回の包括連携協定が締結される形となったとのことだ。

今後の取り組みと具体的な方向性

今回の協定の主な対象となる埼玉県西部は、都市近郊部と中山間地域が隣接するエリアである。都市部ではグリーンエネルギーや防災対応、中山間地域ではバイオマス資源の活用など、異なる性質の課題が同時に存在している。

両者は、こうした課題に向き合うにあたっては、一つの組織だけで対応するのではなく、関係者が連携しながら進めていくことが重要だと考えている。

NTT東日本としては、まずは防災ソリューションの共通化や、再生可能エネルギーの活用といった領域を中心に取り組みを進めていく考えだ。こうした取り組みを、飯能信用金庫が持つ地域ネットワークと組み合わせながら、地域の実情に合わせて検討していく。

11月上旬には、まず両者による協議の場を設け、地域ごとの課題整理を行う。その後は、状況に応じて飯能信用金庫の地域担当者やパートナー企業、さらにNTTグループ各社も参加し、具体的なプロジェクト案の検討を進めていく構えだ。

  • 協定書を掲げるNTT東日本 埼玉支店長 小池哲哉氏(左)と、飯能信用金庫 理事長 松下寿夫氏(右)

    協定書を掲げるNTT東日本 埼玉支店長 小池哲哉氏(左)と、飯能信用金庫 理事長 松下寿夫氏(右)