
総務省は、日本郵便が郵便物を適切に配達できなかった事案の一部を非公表としていた問題について、行政指導を行った。不祥事以外は原則公表してこなかった同社の対応は、利用者目線に欠けると判断。郵便物の配達や返還が困難な場合は、原則公表するよう求めた。
日本郵便は、配達員が故意に隠すなど犯罪と認定した事案は公表する一方、誤廃棄については公表してこなかった。総務省は日本郵便への定期的な調査でこうした実態を把握し、昨年6月には同社に対して自主的な改善を求める通知を出した。
日本郵便は「重く受け止め、総務省の指示を頂きながら改善を図る」とコメント。村上誠一郎前総務相も「今回の指導を受け、適切な事業運営に努めてほしい」と苦言を呈した。
行政指導を受け、日本郵政の根岸一行社長は非公表だった過去の事案を発表する方針を表明。対象は2021~24年に起きた30件程度で、この他にも保管文書などで内容を確認できる事案がないか精査する。
総務省は過去の事案に関しては会社側に判断を委ねていたが、根岸社長は、利用者が不利益を被った可能性を踏まえ「(一部非公表は)郵便物を預かる事業者として誠意が足りない行動だった」と陳謝した。
日本郵便を巡っては、法令で定められた運転手の点呼が適切に行われず、一般貨物自動車運送事業の許可取り消しを受けたほか、一部の郵便局が軽貨物車の使用停止処分を国土交通省から受けている。
根岸社長は、年末の繁忙期でも配達を外部委託することなどで乗り切れると説明。しかし、村上前総務相は「あってはならないことで非常に遺憾だ」と強く非難した。