NECとローソンは10月30日、NEC開発の映像認識AIと大規模言語モデル(LLM)を活用して店舗従業員の作業行動を分析・可視化する実証実験を10月27日から11月2日まで、埼玉県の1店舗で実施することを発表した。
実証の背景
小売業界では、少子高齢化による労働力不足が重要な課題となっており、それを補うための生産性向上施策が求められている。NECは、こうした業界課題の解決に向けて、デジタル技術を活用した店舗運営の効率化と、顧客接点としてリアル店舗の価値最大化への貢献を目指している。
コンビニエンスストア業界においても働き手の確保が難しくなる中、社会インフラとして顧客に求められる役割はますます拡大しており、これまで以上に顧客価値の創出に直結する業務への注力が求められている。
店舗作業の効率化を実現するためにまずは現在の業務の実態把握が必要となるものの、店舗の作業項目は100以上に上り、それぞれの所要時間を正確に把握するためには担当者が直接店舗で作業に立ち会い、手作業で作業時間を計測する必要があった。
効率化施策の検討を進めていく上で、毎回このような測定を手作業で実施することは担当者と店舗にとって大きな負担となっていた。
実証実験の概要
今回の実証実験では、店舗に設置したカメラで作業中の従業員を撮影し、その映像を分析する。映像認識AIによって、映像内の従業員の業務を作業項目に分類する。
さらにLLMが、分類された各作業工程やその所要時間を文字化し、店舗作業内容を定量的に把握できるレポートを自動作成する。このレポートで示した時間と、従来の手段で計測された作業時間を比較することで、今後の店舗の施策検証に活用できるかの有用性を評価する。
なお、実証実験で撮影する映像については、映像分析対象となる従業員、および顧客などの偶然写り込んでしまった人のいずれも個人を特定する利用を一切行わないこととしている。
