Hondaの航空機事業子会社であるHonda Aircraft Company(HACI)は10月14日、同社が開発するHondaJetが、ベリーライトジェットカテゴリ内のツインエンジンジェット機として初めて、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した試験飛行に成功したことを発表した。

  • HondaJetがSAF100%での試験飛行に成功

    HondaJetがSAF100%での試験飛行に成功(出所:Honda)

SAFは、高空領域におけるCO2排出量を削減し、カーボンニュートラル達成に貢献する手段のひとつとして注目される。現在、このSAFの利用は米国材料試験協会(ASTM)による認可制となっており、既存のジェット燃料にSAFを混合できる含有率の上限が定められているとのこと。現行ではその上限が50%となっている。

HondaJetは、すでに最大50%のSAF混合燃料による運航実績があり、また航空機用ジェットエンジンを開発・製造するGE Honda Aeroは2022年・2023年、HondaJet搭載の「HF120エンジン」を用いた100%SAFによる地上試験を完了しているとする。

今回実施された試験飛行では、100%SAFをHondaJetに使用した場合の影響を、既存のジェット燃料との比較により評価したとのこと。なおSAFには、現在最も普及しているHEFA-SPKと、合成芳香族ケロシンに分類されるSAFの一種であるHDO-SAKを混合した100%SAFを採用された。そして試験飛行では、HACIの本社が位置する米・ノースカロライナ州グリーンズボロ周辺を飛行した後、ピードモント・トライアド国際空港に着陸したという。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の飛行性能が確認されたとした。

今回の発表にあたりHondaは、今回の試験によって100%SAFを使用できる可能性が確認され、今後のSAFの進化・普及に向け後押しになるとしており、持続可能な空の移動の実現に向けて業界をリードしていくとしている。