SALES GOは10月10日、MCP(Model Context Protocol)サーバと接続しAI連携を可能にするSFA(Sales Force Automation:営業管理システム)である「GoCoo!(ゴクウ)」の他、AIを搭載した議事録システム「VeZeeta(ベジータ)」、セールスAIエージェント「GoZeeta(ゴジータ)」の提供開始を発表し、説明会を開いた。
「GoCoo!」は西遊記の「孫悟空」と、SALES GOの「GO」と「Cool」の造語が由来となっている。ロゴは、世の中に存在するクラウドサービスを雲で表現し、雲の上に立つ孫悟空はそれら各種サービスの良いとこ取りをしたツールであること表しているという。
国内ではSFAがほとんど使われていない
日本の労働生産性は、主要先進7カ国の中で最下位とされる(日本生産性本部「労働生産性の国際比較」2024)。生産性が高い国では50%~55%を顧客応対に使用している一方で、日本ではその割合が10~25%だとされる。その他の多くの時間は、社内業務や提案準備などに使われているという。
SFAのようなIT活用も検討されてはいるが、日本のSFA導入率は9.1%にとどまる。導入後の調査によると、SFAユーザー企業の61.3%が「難しくて使いこなせていない」「データが溜まらず分析できない」「値段が高い、効果がわからない」などの理由から、SFAを使用していない。
代表取締役社長の内山雄輝氏は「AI時代の波が来ている中、AIに読み込ませるための適切な自社データが蓄積されていない。これは中小企業において特に顕著。こうした現状を打破するために、誰もが使いやすいSFAを誰もが使える費用感で提供したい」とコメントしていた。
SFAは営業のプロセスや案件の進捗を可視化し、営業活動を効率化するツールだ。顧客の担当者や競合の情報、見積もり、受注理由、失注理由などを適切に管理できれば、予算達成の可能性が高まるほか、誰が、何を、どこに売れているのかまで可視化できると考えられる。
従来のSFAは人が使用することが前提となっていたため、画面デザインやツールの使いやすさが価値となっていた。これに対し「GoCoo!」はAIがSFAを使用することを前提としており、データベースの土台となる役割を価値だとしている。
「GoCoo!」「VeZeeta」「GoZeeta」の使用感をデモで確認
説明会では、今回正式リリースを開始する「GoCoo!」に加え、2025年内にリリース予定の「VeZeeta」、2026年春をめどにリリース予定の「GoZeeta」のデモが披露された。
AI利用に対応するSFA「GoCoo!」
「GoCoo!」はAIがデータを活用するためのMCPサーバに対応している。内山氏は同サービスの特徴について、「Salesforceの高い機能性、kintoneのノーコードで使える利便性、Excelのような誰もが使い慣れた操作性を、それぞれ良いとこ取りしている」と紹介した。 「GoCoo!」の案件一覧画面からは、各案件のデータを他の画面に遷移することなく変更できる。これが、まるでExcelファイルで管理しているような操作感を象徴している。
また、画面左側の管理タブは、自由に名称を変更可能だ。例えば「取引先」「お客様」「クライアント」など、自社で使っている用語に合わせてカスタマイズして使える。タブの追加にも対応する。
請求書の編集や発行のほか、日報、1on1など必要な業務に合わせたアプリケーションも自由に作成できる。作成したアプリケーションの画面レイアウトも自由に変更できる。料金プランは最低契約期間12カ月、10ライセンス以上の使用で1人当たり月額5000円~。
AI議事録システム「VeZeeta」
「VeZeeta」はAIにより議事録の作成を支援するツール。2025年内にリリース予定だという。議事録の作成を効率化することで、営業担当者の生産性向上を支援する。Web会議システムだけでなく、PC端末がインターネットにつながっていれば対面の商談にも使用できる。
同社の実証の結果、音声認識精度は99.5%で、他社エンジンと比較して37.5倍の処理速度を達成したという。これにより、議事録の作成を90%削減できることが確認された。また、月間平均で約40時間の業務削減と、年間240万円の人件費削減効果も確認された。
発話内容はリアルタイムに画面に反映され、さらにプロンプトを入力すると、その結果が同一画面上に表示される。要約された内容や、英訳された内容を確認しながら、リアルタイムに商談に参加できる。
音声認識は複数のオープンソースモデルを利用しており、テキスト化の速度を高めながらも誤字の割合を下げるようチューニングしているそうだ。将来的には、金融や医療、法律などの専門用語を事前に登録することで、さらに高精度なテキスト化を可能とする機能も追加予定とのことだ。
料金プランは最低契約期間12カ月、5ライセンス以上の使用で、初期費用50万円、1人当たり月額5000円~。録画・録音や保存容量は無制限。
セールスAIエージェント「GoZeeta」
AIエージェント「GoZeeta」は、まるで営業担当者の秘書やパートナーのように音声で会話できるサービス。MCPサーバを利用して、社内にある複数アプリの情報を統合して分析し、営業担当者へアドバイスする。
商談の次のアクションのアドバイスや、メール文面の作成、優先的にアプローチすべき企業の選定など、複数のタスクに対応し営業活動をサポートする。







