オンライン決済サービスを提供するStripeは9月30日、OpenAIが提供するChatGPT内の新しいコマース体験「Instant Checkout機能」の支援を開始することを発表した。

オンライン決済サービスを提供するStripeは9月30日、OpenAIが提供するChatGPT内の新しいコマース体験「Instant Checkout機能」の支援を開始することを発表した。同機能で米国のChatGPTユーザーは米国のオンラインマーケットプレイス「Etsy」の加盟店、近日中に「Shopify」の加盟店などから順次チャット内で直接商品を購入できるようになり、両社が共同開発したオープンスタンダード「Agentic Commerce Protocol(ACP)」で実現している。

Instant Checkout機能の概要

ChatGPTのチャット内での直接購入が可能になる。ユーザーがチャット内で商品のおすすめを聞き、購入の準備ができた際にStripe のチェックアウト画面が表示される。ユーザーが希望する決済方法(StripeのLinkを含む)で決済を完了すると、Stripeは新しい決済トークン「Shared Payment Token(SPT)」を発行する。

  • ChatGPTのチャット内で商品が直接購入できる

    ChatGPTのチャット内で商品が直接購入できる

SPTは購入者の決済情報を公開することなく、ChatGPTのようなアプリケーションが決済を開始できるようにする。トークンは特定の加盟店とカートの合計金額に紐づけられている。発行されたSPTは、APIを通じてChatGPTから加盟店のバックエンドに送られる。

加盟店はStripeを通じて取引を処理するほか、他のプロバイダーを利用して決済を行うことができる。その際も、Stripeの不正防止リスクスコアの恩恵を受けることを可能としており、購入後の注文はACPを介してChatGPTから加盟店のバックエンドに送る。

事業者側は従来通り注文を承認または拒否し、支払いの請求や消費税の計算と送金、そして商品のフルフィルメントと返品処理を行うことができる。消費者にとってはChatGPT内でのスムーズな購入体験が可能になり、事業者は新しい販売経路が広がる。

従来のEコマースでは人間を対象に作られており、事業者がインタフェースと決済を管理し、消費者は商品を閲覧していた一方で、AI主導のEコマースではエージェントが購入者を代理し、身元情報や支払い方法、購入の経緯を取引に持ち込み、購入を完了する。

こうした変化に対応するため、事業者側はAIエージェントが利用できる形で商品や価格、決済プロセスを公開する必要があることに加え、支払い情報の保護や不正防止にも考慮が必要となる。

また、エージェントが事業者と消費者間に位置することで、決済やチェックアウトから不正チェックに至るまで、すべてを再構築する必要があるほか、多くのAIエージェントがある中で、事業者がそれぞれと連携を維持するのは現実的ではない。

そうしたことから、両社は事業者とAIエージェント間の共通言語となるACPを開発。単一の連携で、加盟店はAIエージェントを通じた販売を開始でき、販売する商品、ブランドの見せ方、注文の処理方法などをコントロールできる。ACPは事業者が顧客との関係や既存のシステムを維持しつつ、エージェント主導のコマースに参加するために必要な標準化を提供するとのこと。

両社が2023年にパートナーシップを締結して以来、OpenAIはChatGPT Plusのサブスクリプションに「Stripe Billing」と「Stripe Checkout」を導入しているほか、不正検知にStripe Radarを活用し、リンクで迅速かつ簡単な決済を提供している。