富士フイルムは9月25日、バイオ医薬品の開発・製造受託会社(CDMO)である同社子会社のFUJIFILM Biotechnologiesが、かねてより米・ノースカロライナ州ホーリースプリングス市で建設を進めていた大型バイオ医薬品製造工場(以下「米国新工場」)を開設し、9月24日(現地時間)に開所式が行われたことを発表した。
年内に大型動物細胞培養タンク8基を本格稼働へ
FUJIFILM Biotechnologiesは、抗体医薬品や遺伝子組み換えタンパク医薬品、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行う企業で、30年以上にわたる実績・経験のもt、独自の高生産性技術を活用した細胞株開発からプロセス開発、そして治験薬製造や商業生産まで、包括的な受託サービスを提供しているとする。また同社は、抗体医薬品の製造委託ニーズの高まりを受け、原薬製造設備の大幅増強を進めているといい、今般開設された米国新工場に加え、デンマーク拠点の増設なども実行。今後は大型の2万リットル動物細胞培養タンクを2028年までに36基に増やすとのことで、さらにグループ会社である富士フイルム富山化学でも、2027年の稼働開始に向け新たなバイオCDMO拠点を建設中だとしている。
そんな設備増強の中核を成す拠点として開設された米国新工場では、2万リットル動物細胞培養タンク8基を2025年中に本格稼働させる見込み。また2028年には同規模の培養タンク8基を追加予定で、北米におけるバイオCDMO拠点として最大級の原薬生産能力を有することになるとする。
加えて同工場では、グローバルの各拠点間における迅速な技術移管、高い品質の確保、ならびに建設におけるリードタイム短縮を実現するため、高い生産性と各種認証取得実績を有するデンマーク拠点と設計・設備・品質管理システムを共通化するアプローチ「kojoX」を採用し建設が進められた。その投資額は約32億ドルに上るといい、原薬製造に加え製剤の受託も可能な工場として、2026年には包装工程まで含めた一貫した受託体制が整うとする。
また米国新工場では持続可能性への取り組みとして、北米に位置する富士フイルムグループ全拠点で導入されているバーチャルPPA(電力購入契約)を通じた「再エネ電力証書」の購入により、同拠点での電力使用によるCO2排出量は100%オフセットされ、実質的にゼロになるとのこと。これにより、同社グループのCSR計画で掲げられている“2040年度までに自社使用エネルギー起因のCO2排出量を実質ゼロ化”という目標の達成に貢献するとした。
なお富士フイルムによると、新工場では現在680名の従業員が勤務しており、2031年までに計1400名を雇用する計画だという。同工場の開所式では、米国の連邦・州・市の行政関係者や地元の建築工事関係者など、多くの参加者が集まったとしている。
