Microsoftは9月18日(米国時間)、「Inside the world’s most powerful AI datacenter - The Official Microsoft Blog」において、最新のAIデータセンター「Fairwater」の開設を発表した。
過去に同社が開設したAIファクトリーの中で最大かつ最も高度なこの施設は、世界70カ国に展開する400以上の既存AIデータセンターと接続し、AIサービスの中核を担う予定とされる。
巨大AI施設は2階建て
Fairwaterは米国ウィスコンシン州に建設されたAI専用施設。315エーカー(約1.27平方キロメートル)の敷地に、総屋根面積120万平方フィート(約3万4千坪)の巨大な建物が並ぶ。
AIトレーニングと大規模なAIモデルおよびアプリケーションの実行に特化した施設で、OpenAI、Microsoft AI、Copilot、その他多くの主要なAIワークロードを支える計画だ。一般的なクラウドデータセンターとは異なり、数十万基もの最新NVIDIA GPUを相互接続する単一のフラットネットワークを使用して、1つの巨大なAIスーパーコンピュータとして機能するように設計されている。
具体的にはNVIDIA GB200サーバ群、数百万のコンピューティングコア、エクサバイト単位のストレージからなる単一の大規模クラスタとして構成される。サーバー間は低遅延の高速ネットワークで接続されるが、そのレイテンシ低減のためにラックは2階建て構造で配置される。
重量に関する情報は公開されていないが、スーパーコンピューターのラックは1つあたり1トンを超えることもあり、2階建て構造は見た目ほど簡単ではないとみられる。Microsoftはこの構造を実現することで高速ネットワーク接続を実現し、世界で最も強力なAIスーパーコンピューターの構築に成功した。同社によるとその性能は、現在最速のスーパーコンピューターの約10倍とされる。
物理的な距離を縮めることで高速化に成功しているが、これは同時に発熱密度の上昇を意味している。同社によると従来の冷却システムでは対応できず、より高効率の水冷システムを採用してこの問題を解決したという。加熱された冷却水はデータセンター両側に配置された172基の20フィートファン(約6メートル)で冷却し、水を蒸発させることなく循環利用する。
米国各地に同規模の施設を複数建造中
Microsoftによると、同規模のFairwater施設を米国各地に複数建造中とされる。同社はこれら施設を既存のデータセンターと分散型ネットワークで接続し、単一施設の制約を超えた柔軟かつ耐障害性を持つ次世代の大規模AI運用基盤として活用していく計画だ。施設間でリソースをシームレスにプールし、データセンター全体でオーケストレーションされる分散システムを実現する。
米国ウィスコンシン州のFairwaterは、2026年初頭の稼働開始が予定されている。同社は今後もAIインフラストラクチャへの投資を継続することで地域発展に貢献し、クラウドとAIの融合した新時代を切り開く方針を打ち出している。



