日本IBMは9月10日、企業のサプライチェーンを効率化し、生産性を向上させることを目指し、IBMのビジネスのためのAIであるwatsonxのAIテクノロジーを活用した「Supply Chain Ensemble(サプライチェーン・アンサンブル)」を発表した。

  • 「Supply Chain Ensemble」の全体像

    「Supply Chain Ensemble」の全体像

「Supply Chain Ensemble」の特徴

昨今ではグローバル化とデジタル化の進展により、サプライチェーンは複雑化し、特に企業のサプライチェーン管理者は、地政学リスクの変化に伴い、サプライチェーンの組み替えや調達先の状況に基づく需要変動の対応に追われてる。こうした中、安定した事業成長に向け、サプライチェーンの混乱やリスクに対する予測・対応能力の強化を求める声が高まっているという。

同ソリューションは、複数の業務プロセスやシステムの情報をAIが統合し、予測、分析して適切な対応を示唆するための基盤として開発・設計。

サプライチェーンのデータをリアルタイムで分析し、在庫管理の最適化とリスク管理の強化を図ることで、企業のサプライチェーン管理に関わる販売、需要、生産、調達、物流の各責任者・担当者の迅速な意思決定を支援するソリューションとして、10月から日本国内の企業向けに提供を開始する。

主な特徴として、サプライヤーのリスク情報や地政学リスク情報などの外部情報を取り込んだ社外データと、企業の自社オペレーションを融合するため、外的変化によるオペレーションへの影響をリアルタイムに分析することを可能としている。

また、部品や製品にかかる関税情報、それに関連する需要、損益情報などを含む膨大なデータを瞬時に分析し、サプライチェーン管理者に今後起こり得るリスクに対する洞察を提供する。

例えば、需要の変化による生産アロケーションや損益への影響などに関して具体的な対応策をリアルタイムに提供することが可能ろしている。同ソリューションを導入した企業では、サプライチェーンの管理者や担当者の業務効率をおよそ10~20%程度向上したケースも確認されている。

  • 優先すべき課題や対応状況をリアルタイムで表示し、AI活用による洞察や対応策を提示する

    優先すべき課題や対応状況をリアルタイムで表示し、AI活用による洞察や対応策を提示する

さらに、需要や供給の変動による将来の在庫の変化をAIが予測することで、適正在庫数量に必要な供給量を適時調整することが可能。過剰在庫も10~15%程度の削減が見込めることが確認されている。

同ソリューションを導入することで企業のサプライチェーン管理者や担当者は、リアルタイムな分析によってリスクや問題の予兆を捉え、提示された対策案をもとに迅速な意思決定を行うことが可能。これにより、企業はサプライチェーンの効率化と生産性の向上が期待できるという。

  • 欠品リスクがある製品をAIが抽出し、在庫状況と将来予想を表示

    欠品リスクがある製品をAIが抽出し、在庫状況と将来予想を表示

日本IBMでは同ソリューションの日本での提供開始とともに、導入企業の効果を最大化するために、活用方法のトレーニングやメンテナンスなどの支援を強化する。今後、AIをはじめとするテクノロジーを活用したソリューションの開発を進め、企業のデジタル変革を包括的に支援していく考えだ。