パナソニック 空質空調社は8月29日、同社傘下のパナソニックHVACチェコ(PHVACCZ)が、欧州におけるヒートポンプ式温水給湯暖房機(A2W)の生産を担うチェコ工場に新棟を建設し、同日より本格稼働を開始したことを発表した。
需要拡大を見据え10万m2超の新棟を開設
A2Wは、大気中の熱を利用して温水をつくり、それを建物に循環させることで暖房する手法で、欧州では主流の空調システムだ。同手法はガスボイラーや石油ボイラーなどの化石燃料を用いた暖房機器に比べて、CO2排出量を抑えるため環境への負荷が少ないことが特徴で、脱炭素社会の実現に向けた環境意識の高まりに応じて、中長期での市場成長が見込まれている。
PHVACCZのチェコ工場は、テレビの生産拠点として設立されて以降、2018年よりA2Wの生産を行ってきた。当初は室内機(給湯ユニット)の生産のみを行っていたというが、2023年からは日系メーカーとして初めて自然冷媒(R290)を採用した室外機(ヒートポンプユニット)の生産も開始。翌2024年には、欧州の市場ニーズに迅速かつ柔軟に応えるため、現地のR&D部門を設立するなど、欧州の開発・生産を担う主要拠点となっている。
そして同工場では、A2Wの市場拡大に対応するべく、増産体制の構築を目的として新棟の建設を開始。延床面積は10万2000m2に上る新棟が今般竣工し、本格稼働に至ったとする。なお同社によると、新棟の完成により、今後の需要に合わせた製造ラインの増設に加え、現在80台導入しているロボットの活用などによる自動化で、現状で年間約15万台となっている生産能力を、当初計画を約20%上回る最大約70万台にまで将来的に拡張可能になったという。
また2028年までには、部品加工工程で100%の無人化、部品組付工程(組み立て工程)で現状比約2倍の自動化率の実現を目指すとのこと。併せてコスト競争力や品質管理体制の強化を目的として、室外機外装部品、空気熱交換機、銅配管、プリント基板など主要部品の内製化を進め、基幹部品の内製化率を約70%まで引き上げるとした。
PHVACCZは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、チェコ工場の新棟に1MWの太陽光発電システムを設置し、採光を促進する天窓も導入するなど、2025年中のCO2排出量ゼロ化を目標に取り組んでいるとのこと。そして同社は今後も、環境に配慮した製品開発と事業活動を推進するとしている。


