Windows Latestは8月19日(現地時間)、「Microsoft confirms "context-aware" AI features for Windows 11 as future, skips Windows 12 mention」において、Windows 11の将来像について伝えた。
これは先日公開されたMicrosoftの対談動画について解説したもので、動画中で述べている「次世代のWindows」がWindows 12を指すものとは限らないとし、Windows 11のAI機能が拡充される可能性を伝えている。
Windows 11はローカルAIモデルを活用し、ユーザーの希望を認識するようになる
Windows Latestは、対談に出演したWindowsおよびデバイス事業リーダーを務めるPavan Davuluri氏の発言の要点を「Windowsはクリック操作からユーザーの意図に基づいたインタラクションへと移行し、Windowsがユーザーの望むものを認識する」と紹介し、AIがユーザーの意図を汲んでWindowsを操作するように進化するだろうと推察している。
また、その実現例として、Windows 11 24H2のプレビュー更新プログラム「KB5062660」および8月の月例更新プログラム「KB5063878」において実装された、設定アプリのAIエージェント機能を挙げている。
これはCopilot+ PC向けに段階的ロールアウトを開始したAI機能で、ユーザーは設定アプリの検索バーに要望を入力するだけで、改善提案から設定の変更までエージェントによる半自動化を体験することができる(参考情報:July 22, 2025—KB5062660 (OS Build 26100.4770) Preview - Microsoft Support)。
このAIエージェントはWindows 11に搭載された小規模言語モデル「Mu」により実現されているわけだが、記者はMicrosoft Edgeにもローカル動作する複数の小規模言語モデル「Phiオープンモデルファミリー」のAPI機能が存在するとして、Phiに依存した強力なAI機能がWindows 11に提供される可能性があるとしている。
記事では語られていないが、Copilot+ PCのWindows 11にはPhiファミリーの「Silica」モデルを使用した「Click to Do」と呼ばれるAI機能がすでに提供されている。これはユーザーが見ている画面を認識し、画面上のテキストの翻訳や要約、画像の自動編集などの機能を提供する。
現在のClick to Doの操作にはキーボードやマウスを必要とするが、記事では「音声、ペン、タッチ、そして視覚と連携した操作が可能になる」と、将来のWindows 11では音声とタッチ操作でこれらAI機能の操作が可能になるだろうとコメントしている。
高性能なニューラルプロセッシングユニット(NPU)が必要
最新のAI機能を利用するには高性能なニューラルプロセッシングユニット(NPU: Neural Processing Unit)が必要だ。これはWindows 11の最小システム要件の中で定義される「Copilot+ PCsの最小システム要件」として明らかになっている。
具体的には「40TOPS(毎秒40兆回の演算処理)以上の実行性能を持つNPU」が必要とされる。現時点では、「AMD Ryzen AI 300シリーズ」、「Intel Core Ultra 200Vシリーズ」、「Snapdragon Xシリーズ」が対応しているとされ、AMDやIntelが過去にリリースしたNPU搭載CPUは対象外とされる。
なお、現行のミドルレンジ以上のGPUは40TOPSを超える性能を誇るが、GPUはNPUとして認識されないため対象外となる。
Windows 12ではなく、Windows 11のAI機能が充実する
記者はWindows 12のリリースはしばらく無理だろうと述べ、Windows 11のAI機能が拡充する可能性を伝えている。その理由としてWindows 10からWindows 11への移行に苦労している現状を挙げている。これはWindows 10ユーザーの移行が完了する前にWindows 12のアピールはできないだろうとの推測だ。
また、Windows 12がAI機能を標準搭載する場合、「Copilot+ PCsの最小システム要件」が最小システム要件となる可能性がある。この場合、大部分のコンピューターがサポート対象外となり、Windows 11リリース時に反発を招いた「TPM 2.0」よりも大きな混乱をもたらすと推測され、これもWindows 12のリリースを遅らせる理由として考えられる。
MicrosoftはAI機能を強く打ち出しており、この方針は堅持されるとみられている。そのため、同社がWindows 12のリリースを遅らせた場合、Windows 11のAI機能がより充実していく可能性がある。すべては推測の話だが、まだWindows 11へ移行していないWindows 10ユーザーには、将来のWindows 12登場を見据え、Copilot+ PCへ買い替えることが望ましい状況となっている。
