GMOインターネットグループのGMOペパボとDNPは7月31日、デジタルコンテンツの来歴や変更履歴を記録して信頼性を確保・証明する「コンテンツクレデンシャル技術」を活用した画像コンテンツ認証支援の実証実験を開始することを発表した。

  • 実証実験の概要

    実証実験の概要

実証実験の概要

今回の実証実験では、GMOペパボが運営するオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ)byGMOペパボ」と、DNPとDNPアートコミュニケーションズがアート作品の画像データのライセンス(利用許諾)を個人などのクリエイター向けに提供する「イメージアーカイブ・ラボ」が連携する。

加えて、人気クリエイターであるマーモット中毒氏とのコラボレーショングッズ販売の企画を実施することで、両社のサービスにおける画像コンテンツ認証支援の有効性を検証する。

  • ダ・ヴィンチの「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」をもとにマーモット中毒氏が制作した作品

    ダ・ヴィンチの「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」をもとにマーモット中毒氏が制作した作品

両社の役割

実証実験で、GMOペパボは正式にライセンス提供された名画の画像(一次流通)とマーモット中毒氏が二次創作して出品する画像(二次流通)に埋め込まれたクレデンシャル情報を自社運営の「SUZURI byGMOペパボ」や「それゆけ!SUZURI計画 byGMOペパボ」からインターネットサイト上で確認できるようにする。それにより作品の真正性や来歴などの情報を提供し、その有効性を検証する。

DNPは、画像データのライセンスや証明書などの情報管理にコンテンツクレデンシャル技術を活用し画像データの来歴や変更履歴を記録する。フランス国立美術館連合(RMN-Grand Palais)が管理し、DNPアートコミュニケーションズが提供するダ・ヴィンチの「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」の画像データを二次創作に利用することを許諾し、この実証実験で使用する。

コンテンツクレデンシャル技術活用の背景と狙い

国内外のコンテンツIP(知的財産:Intellectual Property)市場は年々拡大を続けている。加えて、生成AIの普及に伴ってコンテンツIPの真正性がより問われるようになり、創作者の来歴情報の証明や管理などが課題となっている。

また、コンテンツホルダーやクリエイターが正当な報酬を得られる対価還元の仕組みの構築も求められており、これらに対応する流通基盤の必要性が高まっている。

GMOペパボとDNPは、こうした社会的要請に応え、デジタルコンテンツの信頼性を確保し、健全な事業環境を構築するため、コンテンツクレデンシャル技術を活用して画像データの履歴を確認し、ライセンスを認証する実証実験を開始したという。

両社は今回の実験を通じて、生成AIによるフェイク画像の真偽などの課題を解決するサービスの検討や、より多くのデジタルクリエイターの創作物が正規の「ホワイトマーケット」上で流通するサービス基盤の需要検証などを実施する。