7月に完了したHewlett Packard Enterprise(HPE)によるJuniper Networksの買収について、最後の障害となっていた米司法省の承認の背景に、中国に対する国家安全保障上の懸念があったという。

HPEの大型買収にちらつく中国の影

HPEのJuniper買収は2024年1月に合意が発表されたが、米司法省では独占禁止法の観点から提訴し、買収完了が難航。HPEは6月末に司法省と和解合意に至り、7月2日に買収完了を発表した。情報筋の話として、米国の諜報機関が司法省に中国Huawei Technologiesとの競争にあたって、米国企業を支援するために2社の合体は不可欠だとアドバイスしたという。

国家安全保障担当の高官は「重大な国家安全保障上の懸念を踏まえると、(司法省とHPEとの)和解は国内企業の能力の強化につながり、ひいては米国の利益に資するものだ。これは、Huaweiおよび中国に対抗するうえで極めて重要だ」と述べたという。

買収を阻止すれば「米企業を妨害し、中国の競合他社を有利にしてしまう」との見解を示したことも紹介している。Reutersは7月31日、HPEによるJuniperの買収に関連して、司法省反トラスト部門の幹部2人が解雇されたことを報じている。

司法省の報道担当は「司法省は情報機関のパートナーと密接に連携しており、案件の最適な進め方を決定する際には、常に彼らの見解を考慮している」とコメントしている。AXIOSが報じている。7月30日付でAXIOSが報じている。