SynopsysによるAnsysの買収が完了

Synopsysは7月17日(米国時間)、同日付でAnsysの買収が完了したことを発表した。この取引の完了により、同社が対応できる市場規模は約310億ドルまで拡大することになるという。

また、この買収完了に伴い、Ansysの普通株式はNASDAQ株式市場への上場が終了することとなるほか、AnsysのCEO/取締役であったAjei Gopal氏ならびに取締役であったRavi Vijayaraghavan氏がSynopsysの取締役会に加わることとなる。

シリコン to システムのイノベーションを加速

今回の買収完了に際し、Synopsysの社長 兼 CEOであるSassine Ghazi氏は「Synopsysは、過去数十年に渡ってシリコン設計/IPソリューションのブレイクスルーを提供し続け、チップ・イノベーションを促進してきたが、現在、インテリジェント・システムの開発が複雑化する中、電子工学と物理工学をより深く統合し、AIによって強化された設計ソリューションが求められるようになっている。Ansysの先進的なシステム・シミュレーションおよび解析ソリューションがSynopsysの一部となったことで、エンジニアリング・チームの能力を最大限に引き出し、シリコン to システムのイノベーションを加速することができるようになる」と買収によるシナジーを橋梁する。

なお、Synopsysは、今回の買収を踏まえ、エンジニアがイノベーションを起こし、市場投入までにかかる期間とコストを削減し、製品品質を向上させるための支援に引き続き専念し、製品が現実世界で適用された時にどのように機能するかについて、これまでにない洞察を可能にするソリューションを提供していくと説明しているほか、Ansysとの統合により、半導体/ハイテク/自動車/航空宇宙/産業機器など、さまざまな業界の顧客に向けて包括的なシステム設計ソリューションを提供していくとしており、今後、統合技術ロードマップを迅速に進め、最初の統合機能のセットとして、マルチダイの高度なパッケージングを含むEDAソリューション全体でマルチフィジックスを融合した統合機能セットを2026年前半に提供する予定としている。また、このロードマップには、自動車業界やその他の業界向けの複雑でインテリジェントなシステムのテストと仮想化を進めるための統合ソリューションも含まれているとしている。