ベルシステム24は7月16日、気象災害に対し備える時間を最大限確保するための、行政・企業の防災対応を支援する早期予測APIサービス「備えーるシグナル」の第1弾として、「気象防災シグナル」の提供を開始することを発表した。

大雨、短時間強雨 / 雷、大雪、暴風の4つの気象災害シグナルにより、従来の天気予報だけでは読み取れない「いつ・どこが・どのような危険な状況になるか」を早期から予測し、適切な想定と防災対応をサポートする。

  • ベルシステム24が「気象防災シグナル」の提供を開始する

    ベルシステム24が「気象防災シグナル」の提供を開始する

サービス提供の背景

近年は気候変動の影響により、線状降水帯や局地的な豪雨、猛烈な暴風など、想定を超える気象災害が頻発している。また、高齢化による災害弱者の増加や宅地造成による災害リスクエリアへの居住拡大、橋やトンネルなどのインフラの老朽化といった社会基盤の脆弱性などにより、気象災害のリスクが高まっている。

一方、突発的に発生する地震とは異なり、気象災害は直前の対応だけでは被害を防ぐことが困難なケースは多いが、ある程度は事前に予測可能とされる。適切な予測により防災の初動を早めることで人的被害を回避し、経済的損失を最小限にできると考えられる。

ベルシステム24はこれまで約30年にわたり、一般気象情報から専門性の高い気象情報までさまざまなコンテンツで独自の気象情報を提供する「お天気.com」を運営している。大切な命や地域、企業活動などを支援するため、新サービスの開発に至ったとのことだ。

サービスの特徴

同サービスでは、最長2週間前から市区町村別に5段階の災害リスクを予測可能。数値予報データを独自のロジックで分析し、市町村別のリスク基準値などと組み合わせることで、災害発生の兆候を5段階で検知するシステムを構築している。そのため、発生から消滅までのサイクルが2週間ほどの大きな低気圧にも対応し、最長2週間前から早期に危険性の高い市区町村を捉えられる。

また、「お天気.com」や「頭痛―る」を担当する気象予報士が防災支援をする際のノウハウを自動化したアルゴリズムを搭載。線状降水帯など事前予測が難しい狭い範囲の集中豪雨に対しても、見逃しを防ぐ独自の手法を取り入れることで高精度の予測を実現している。

大雨シグナル、強雨 / 雷シグナル、大雪シグナル、暴風シグナルの4つの気象災害シグナルを設定している。各シグナルに対し5段階の危険度ランクに加えて、最大降水量や最大風速などの詳細予測を提供する。全国約1900地点の市区町村の最新予測をAPIデータで提供する。

  • サービスの活用例(左:カレンダー上での気象防災シグナルの予測、右:日別の詳細予測)

    サービスの活用例(左:カレンダー上での気象防災シグナルの予測、右:日別の詳細予測)