NECは7月16日、早稲田大学基幹理工学部情報理工学科の佐古研究室と、安全・安心で健全なIT社会の実現を目指し、分散型ID(Decentralized Identity:DID)と検証可能なデジタル証明書(Verifiable Credentials:VC)を組み合わせたDID/VCの社会実装に向けた共同研究を、2025年7月から2026年3月までの期間で実施する予定であることを発表した。
実証実験の背景
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の急速な浸透に伴い、個人に関するさまざまな情報がデジタル化され、個人情報やプライバシー保護の必要性が高まっている。
このような変化の中で、DID/VCを活用することにより、個人が自身のデータを自己主権的に管理し、自らの意思で必要な情報だけを開示することが可能になり、プライバシー保護が強化された形でサービスを利用できるようになる。
実証実験における優位性
NECが提供するDID/VCソリューションは、マイナンバーカードに限らず、さまざまな身分証明書の情報及びその他関連情報をVC化し、さらに顔情報を活用し、より高い安全性を提供できるという。
利用者のスマートフォンに格納することにより、オンラインでの本人確認や複数のサービス提供者から同じ確認をされる場面において、スマートフォンから必要な情報をVC/VPで提示することが可能。
ユーザー利便性が向上されると共にセキュアな本人確認ができ、多岐にわたるユースケースへの柔軟な対応を実現できるほか、顔認証を用いて、VC格納時や利用時に厳格な本人確認を行うことが可能となる。
さらにPETs(Privacy Enhancing Technologies)技術と連携することで、個人の同意のもとで提示されたデータを秘匿化したまま分析・管理することができ、プライバシー保護と同時にデータ利活用の可能性が広がるという特徴があるという。
このように、本人性の担保とプライバシー保護を両立するDID/VCについて、各産業におけるユースケースを検討し、社会実装を加速させることを目的として今回の共同研究が開始された。
共同研究の内容
共同研究の内容としては「各産業におけるDID/VC活用のユースケース及び課題や解決方法の検討」「大学でのDID/VC利用に関する実証実験」「DID/VCにおける各種検討」の3点に取り組む。
特に「DID/VCにおける各種検討」においては、「発行局の在り方」「マイナンバーカード等の公的身分証のスマートフォン等の端末への追加や活用方法の検討」「モバイル運転免許証の国際規格mDL, デジタル身分証の国際規格mdoc,Digital Travel Credentialなどの活用」「多国間でのVCの活用や検証にかかる実施課題」などについて取り組む。
今後は、この共同研究で得た知見を基に各産業向けのユースケース開発を加速し、NECの強みである生体認証技術も活用しながらDID/VC事業のさらなる強化・発展を進め、分散型社会の構築を支えていきたい考え。