ISCがロケットの洋上打ち上げ/回収に向けて商船三井などと連携

将来宇宙輸送システム(ISC)は7月10日、商船三井ならびに常石ソリューションズ東京ベイ(旧 三井E&S造船)と、ロケットの洋上回収船・洋上発射船の事業化に向けた検討を進めることを目的とした連携協定を締結したことを発表した。

  • 将来宇宙輸送システムの代表取締役社長である畑田康二郎氏

    左より、将来宇宙輸送システムの代表取締役社長である畑田康二郎氏、商船三井の執行役員である安藤美和子氏、常石ソリューションズ東京ベイの取締役である関広史氏 (C)ISC

ISCでは、自社が提供する宇宙輸送サービスを日本の沖合(洋上)からの打ち上げ/回収で提供することを目指して、そのインフラ作りにも注力している。

同社によると、これまでにも商船三井ならびに常石ソリューションズ東京ベイとともに船舶を活用した洋上打ち上げ・回収の可能性について技術面・事業面の両面から基礎的な検討を重ねてきており、そうした積み重ねを経て今回、ロケット洋上回収の実証船の開発着手に進むことで合意したという。

2026年度には各種の実験を実施へ

このロケット洋上回収の実証船開発について3社では、ロケットの洋上回収船の設計要件を精査し、ISCが開発を進める再使用型ロケット「ASCA 1(アスカワン)」への適用検討と実証を進めるとするほか、ロケットの洋上発射船の事業化検討として、技術的・経済的成立性の検討やASCA 1への適用検討と実証を進めるとしており、2026年度中に各実験を実施し、2030年ごろの商業利用を目指して協議を進めていくとしている。