ソフトバンクは、第6世代移動通信システム(6G)向けの周波数として検討されている7GHz帯の電波利用した屋外実証実験を開始したと7月8日に発表。東京都心に7GHz帯の基地局を3つ設置し、Massive MIMO技術を用いて、現行の5Gと同等の6G通信エリアの構築を検証する。実験は6月に開始しており、日本の通信事業者としては初めての試み。
7GHz帯(特に7,125~8,400MHz)は、将来の6G向け周波数として国際的に注目されるセンチメートル波で、現行5GのSub6(6GHz未満の周波数帯)に近い電波伝搬特性を持ちつつ、広帯域を実現できる点が特長。都市部の通信エリア形成や、増大する通信需要に対応するため、通信容量とエリア形成の両面で、バランスの取れた新しい周波数帯の電波として期待されている。
ソフトバンクは今回の実証実験にあたり、7GHz帯(7,180~7,280MHz)の実験試験局免許を取得し、6月から東京都中央区の銀座エリアで屋外実証実験を開始。3つの実験用基地局を設置し、7GHz帯のエリア通信速度といった通信サービス性能と、実用化に向けた有効性を検証するという。
7GHz帯の電波特性やエリアの広さを現行5GのSub6と比較するため、ビルの屋上に設置されている3.9GHz帯の商用5G基地局と並べて、7GHz帯の実験用基地局を設置。さらに、Massive MIMO技術を用いて連続した通信エリアの構築をめざす。なお、今回の実証実験における役割分担として、ソフトバンクが実験を実施し、ノキアが基地局や実験用端末を提供する。
今後は、実験エリア内の屋内外で実測データを取得しながら、6G実用化に向けた研究開発を進めていくとのこと。