オムロン ソーシアルソリューションズ(OSS)は7月3日、主に戸建て住宅向けとして、太陽光発電・蓄電・V2Hをユーザーのライフスタイルに合わせて柔軟に組み合わせ可能なトリプル蓄電システム「KPTPシリーズ」を10月より発売することを発表した。

  • KPTPシリーズのシステム構成例

    KPTPシリーズのシステム構成例(出所:OSS)

「EV購入」などライフスタイル変化に合わせた構成が可能

電気料金の高騰が近年続いており、2019年以降に順次満了を迎えている太陽光発電の“卒FIT”などに伴って、太陽光で発電した電気を蓄電池に貯蔵して自家消費するシステムへのニーズが高まりを見せている。また、地震や台風など大型自然災害も増加する中、停電時の非常用電力として、太陽光発電と組み合わせた蓄電システムにも注目が集まっているとのこと。さらに普及が広がりつつある電気自動車(EV)を活用し、EVを大容量蓄電池システムと見立てて、溜めた電気を住宅や施設で活用できるようにする「V2Xシステム」に対しても、レジリエンス強化やBCPへの貢献が期待されている。

こうした背景を受け、OSSは、太陽光発電システムや蓄電システム、そしてEVの活用を見据えたさまざまなニーズに対応するため、新たなトリプル蓄電システムとしてKPTPシリーズを開発し、10月に発売する。同シリーズは新築住宅をはじめ、既築住宅についてもニーズや住環境に合わせた柔軟なシステム設計が可能とのこと。初めは太陽光と蓄電池のハイブリッド蓄電システムとして導入した場合でも、後にEVを購入してからV2Hスタンドを追加することでトリプル蓄電システムへと拡張できるなど、ユーザーのライフスタイルに合わせた変更が可能だという。

  • システム拡張性の概要

    システム拡張性がありユーザーに合わせた設計が可能(出所:OSS)

またKTPTシリーズで用いられる蓄電池については、OSS製のマルチ蓄電プラットフォーム「KPBP-A2シリーズ」と共通化し、住宅内にも溶け込む外観を実現。屋内用の6.5kWh/9.7kWhの2機種が接続可能だといい、6.5kWhタイプでは厚みが137mmであるなど小型化を追求したことで、建物内のさまざまな場所に違和感なく設置できるとする。なお、蓄電池の使用可能な周囲温度範囲の下限温度も-15℃に拡張されたため、より寒い地域への設置も可能となったとした。

  • 蓄電池の設置イメージ

    蓄電池の設置イメージ(出所:OSS)

そして同シリーズには、インターネット接続したPCから、太陽光発電の状況や蓄電池の充電量などを確認し、離れた場所からでも操作・モニタリングができる遠隔モニタリング接続機能も搭載。動作モードの変更や充放電設定なども操作できる。さらに、蓄電池ユニットを導入したユーザーは、OSSが提供するJクレジット還元サービス「みんなでつくるエコ活サークル」に加入すると、太陽光発電システムで発電した電気を自家消費するだけでポイントが獲得できるという。

  • システムのモニタリング画面イメージ

    システムのモニタリング画面イメージ(出所:OSS)

なおOSSはKPTPシリーズについて、今後3年間で1万システムの販売を目指すとしており、同システムの提供を通じて安心・安全・快適な社会づくりに貢献するとしている。