Search Engine Journalはこのほど、「Sam Altman: ChatGPT Has Evolved Beyond A "Google Replacement"」において、OpenAIのCEOであるSam Altman氏が「ChatGPTはもはやGoogleの代替ではない」と発言したと伝えた。

Altman氏は、ChatGPTがすでに単なる検索エンジンのような存在ではなく、複雑なタスクを自律的に処理できるレベルに進化したと述べたという。

  • OpenAIのCEOであるSam Altman氏

検索エンジンの代替品という枠を超えて進

Search Engine Journalのレポートは、Y Combinator社で行われた講演でのSam Altman氏の発言を伝えたものだ。Altman氏はこれまで、ChatGPTを「Google検索の置き換え」のように認識していたという。たしかに初期のChatGPTは、自然言語でのユーザーの問いかけに対して、会話形式で情報をまとめてくれる便利な検索エンジンとしての用途が主流だった。

しかし今となっては、ChatGPTを検索エンジンと単純に比較するのは不可能だ。Altman氏は、現在のChatGPTはユーザーの複雑なタスクやワークフローの完了を支援することに重点を置いており、検索エンジンの代替品という枠を超えて進化したと述べている。

今は「経験の浅い従業員」

Altman氏は、今のChatGPTを「短期間だけ何かに取り組める、経験の浅い従業員のようなもの」だと表現している。社内のデータに接続し、ユーザーの指示を受けて一連のタスクを完了させることができる。メモリ機能を備え、以前の会話やユーザーの好みを記憶して、個人的なアシスタントのように振る舞うことも可能になっている。

将来的には、このAIのアシスタントが、いつユーザーに通知するべきか、いつ自動的にアクションを起こすべきかなどを自律的に認識できるようになる見込みだという。

MCPサポートでさらに進化が期待される

さらに、GPT-4oやo3といった高度なモデルを使用すれば、より複雑な推論やワークフローの自動化も実現できる。ただしAltman氏は、多くの製品化されたツールがモデルの能力に追いついておらず、企業の対応に遅れがある点を鋭く指摘する。AIがマーケティングやデータ分析、コンテンツ開発といった業務をどのようにサポートできるかはまだ未開拓な部分もあり、大きな可能性があると同氏は言う。

ChatGPTは、まもなくMCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)をサポートする予定だ。これによって、ChatGPTは企業内のデータベースやツールから直接データを取得できるようになり、高度なアシスタントとして進化する新たな展望が広がるだろう。