AIのトップ人材の引き抜きを積極的に行っているMeta。なかでもOpenAIからこの1カ月に少なくとも4人を雇い入れている。OpenAI 共同創業者兼CEOのSam Altman(サム・アルトマン)氏は社員に向けて、AGI(汎用人工知能)の構築を目指す研究者にとって、OpenAIにとどまることが唯一の選択肢というメッセージを送ったという。

「MetaはトップクラスのAI人材を獲得できていない」

アルトマン氏は6月30日、Slackで社内の研究者に向けてメッセージを送ったという。そこで同氏は「われわれは主流とは言えないオタク集団から、(少なくとも)テック業界で最も興味深い集団へと変化を遂げた」と綴り、自分たちの功績をたたえた。

同氏はMetaの大胆な引き抜きに言及し「Metaは確かに何人か優秀な人材を獲得した。しかし、全体的に見るとMetaがトップクラスの人材を獲得できなかったこと、(Metaが獲得しようとするAI人材のうち、優先度の高い順に作成した)リストのかなり下の方までカバーせざるを得なかったことも強調しておこう。彼らは長い間、人材のリクルートを試みている。チーフサイエンティストのポジションにスカウトを試みた人数は数え切れない」とした。

金銭よりも使命感の重要性

Metaに対しては「深刻な企業文化の問題が生じるのではないか」と批判している。また、同氏は「使命感のある人は、金銭目的の人材に勝る」とし、金銭よりも使命感の重要性を強調した。同時に、OpenAIでは研究組織全体の報酬を評価していることも示唆した。

アルトマン氏は「OpenAIの株式は、Metaの株式よりはるかに多くの潜在的上昇の余地があると私は信じている」と述べている。自社については同氏は「OpenAIの研究ロードマップに、かつてないほどの自信を持っている。AGIを最善の方法で構築することを大切にしている。最も重要なのは、世界で最も特別なチームと企業文化があること」と自社の魅力をアピールしている。

同氏氏のメッセージに対し、Metaで勤務経験があるというOpenAIの社員は「彼ら(Meta)はいつも、最優先事項がコロコロと変わる」とコメントしているという。7月1日付のWIREDが報じている。