TISインテックグループのTISは6月30日、SAP ERP 6.0の標準保守終了が迫る中、SAP S/4HANAへの円滑な移行を支援するため、SNPグループの日本法人であるSNP Japanと業務提携契約を締結したことを発表した。

さらにこれに伴いSAPユーザー企業向けに、短期間移行支援を強化することを発表した。

TISが培ってきたエンド・ツー・エンドのSAP導入・活用支援実績と、SNP Japanの高度なデータ変換プラットフォーム「Kyano Platform」の活用を通して、SAP S/4HANAへの移行を、安全・短期間かつ最短2日のシステムダウンタイムで実現するという。

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業務提携の背景と狙い

既存基幹システムの老朽化や複雑化が課題となる中、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える基盤としてERPシステムの刷新が急務となっている。

SAP ERP 6.0の標準保守は2027年に終了を予定しており、多くのSAPユーザー企業にとって、次世代ERPであるSAP S/4HANAへの円滑な移行が喫緊の経営課題となりつつある。

移行にあたっては「業務停止リスク(ダウンタイム)」や「リソース確保の難しさ」が懸念となっておりり、システム停止を最小限に抑えながら、確実に移行を完了することが重要とされている。

このような中、両社はそれぞれの強みを生かして連携し、SAPユーザー企業の安定的かつ迅速な移行を支援することで、基幹システムのモダナイゼーションを促進する。

業務提携の概要

TISはSAP導入・運用の知見を生かし、計画立案からシステム構築、移行、運用の定着までの全フェーズを包括的にサポートする。

両社の戦略的パートナーシップによるメリットとしては、移行におけるシステムダウンタイムを最短2日に短縮できることがあり、SAP S/4HANAへの移行期間短縮、システム停止時間の最小化、移行リスクの低減を同時に実現可能だという。

また、移行計画の策定からデータ変換、検証、テストまでを一貫して支援することで、プロジェクトの全体最適と品質向上に寄与。これにより、移行対象のシステム環境を可視化・分析し、必要なデータだけを選別・抽出して、SAP S/4HANAへの移行を容易にするという。

今後は、TISとSNP Japanで共同体制を確立し、ECCからSAP S/4HANAへのコンバージョンおよびバージョンアップを推進、2030年度までに20件超の共同プロジェクト完了を目指す。