
障がい者は戦力になる。障がい者の雇用や教育に関わるインフラカンパニーを目指す」
現在、日本の企業は従業員の2.5%に相当する人数の障がい者雇用が義務付けられており、2026年には2.7%に引き上げられる。しかし、それ以上に深刻なのは労働者不足。その中で自社の事業にマッチする障がい者を見つけ、採用し、定着するのは並大抵のことではない。その障がい者雇用に関わる領域を「丸ごとサポートする」。
障がい者の総数は推計約1160万人。精神障がい者を中心に、その数は年々増えている。09年の創業以来、障がい者雇用におけるミスマッチやギャップを埋めるために試行錯誤を繰り返してきた。ポイントは「企業の業務の棚卸し」だ。業務を細かく分解することで、障がい者に適した業務を導く。
導入企業は上場企業を中心に2000社以上。マッチした事例は事欠かない。ある上場企業のグループ会社では消防設備設計の業務で人手が足りなくなった際、テレワークを活用することでCAD(コンピュータ支援設計)経験のある障がい者を契約社員で紹介したが、その実績が買われて正社員となった。
焼肉業態を主体とする外食企業ではD&Iのコンサルタントによる定期的なアドバイザリーによって社員の障がい者の捉え方を変えた。店舗での調理の仕込みや商品提供、接客などの業務に対応できる環境を整備した結果、障がい者雇用率は3年間で1.8%から2.9%へ。
業界トップの掲載求人数を誇る求人サイト「BABナビ」、業界初の障がい者テレワーク雇用支援サービス「エンカク」、教育支援サービスなども展開。25年2月、業界としては初となる東証プロへの上場を果たした。
「創業者に少しは恩返しができたかもしれない」と前職の上司で21年に急逝した先代社長の杉本大祐氏の理念を受け継ぐ。「AIを活用するなど、企業と障がい者の出会いをもっと円滑にしていきたい」と語る。
休日はサウナやゴルフでリフレッシュ。特にゴルフは「経営とつながる」と没頭中だ。