SALESCORE代表取締役・中内崇人が語る「科学的に組織文化を変え営業の水準を高める」

当社は、営業組織の売上や生産性を科学的に向上させる取り組みである「セールスイネーブルメント」のツールとコンサルティングを提供している会社です。

 企業経営において重要な変数の1つである営業部門の売り上げは、セールスイネーブルメントによって意図的にコントロールしやすいものへと変わります。

 我々が最もフォーカスしているのが、組織の文化を強くすることです。

 例えば、「やる」と決めたことを、全員がきちんとできる組織をつくることができれば、水準が上がっていきます。

「営業を科学する」は昔から取り組まれてきたことだと思います。昔で言えば社内で「虎の巻」をつくるなどしていたと思いますが、残念ながら私は形骸化したものしか見たことがありません。

 その後、テクノロジーの進化によってツールが発達し、手段は増えましたが、結局は形骸化したものが高度になっているだけで、実行する組織文化が整っていないというのが、多くの企業で起きていることだと思います。

 例えば、営業支援システムである「SFA」(Sales Force Automation)の導入率は国内で5割ほどあると見られておりますが、導入が進んだ一方で、活用が定着しない、一度取り組んだけど失敗したという事例は多くあります。

 つまり、ツールは導入したけれども、実は組織文化から変えていくことが大事だという考えに至っていない企業が多いのではないかと思います。

 我々は従来の「虎の巻」のような仕組みやツールを用意する際には、それに基づいて全員の水準を上げ、意味を理解して徹底的に使い実行することを、組織の文化と言えるレベルまで持っていくことを重視しています。

 この文化とは組織における「あたり前」だと考えています。大事なのは、仕事の場面場面で、その「あたり前」が醸成されているかどうかです。人間は環境に左右されますから、その環境をデザインします。例えば会議において、どんなダッシュボードで、どんな報告を行い、何が良しとされる時間なのか、を定義します。

 日々の会議の過ごし方で、確実に組織の文化は変わっていきます。

 この取り組みによって、その企業が大事にしているアイデンティティを変えるわけではありません。企業がつくりたい世界観を実現するために、営業組織の強度や水準を高めるお手伝いをしています。

 すべての受注には、売れた理由が存在します。私達はなぜ売れているのかを徹底的に分解し、どの順番で購買という決定にたどり着いているかを解析します。この「カスタマーパス」が設計できると、これを物差しとして対話ができるようになるわけです。

「カスタマーパス」を共通言語にできると、「3段階目まで行ったけど4段階目でうまくいかなかった」、「1段階目から2段階目が弱いね」という形で商談の解像度が上がり、社内にノウハウが循環しやすくなるのです。

 取り組みで成功体験が生まれると、組織として成長していく感覚が全体に生まれていきます。継続することで売上が上がり、企業が成長するという循環になるのです。

 今後も我々は現場で、企業の皆さんと一緒に汗をかきながら取り組んでいきます。