Betanewsは6月3日(現地時間)、「Elon Musk confirms everyone is getting the 'all new' XChat this week, complete with 'Bitcoin style encryption'」において、ソーシャル・ネットワークサービス「X」の新しいメッセージ機能「XChat」が今週中に登場する予定だと伝えた。

イーロン・マスク氏が自身のXアカウント上で発表したもので、Rustで開発されたまったく新しいアーキテクチャで構築されているという。

"プライバシーを重視した設計

XChatは独立したアプリではなく、Xプラットフォーム上のダイレクトメッセージ機能の強化版のような形で提供されるようだ。マスク氏によれば、XChatはテキストメッセージに加えて、ビデオ通話と音声通話、あらゆる種類のファイル送信機能などを備えている。

さらに、消えるメッセージや、パスコードによる保護といった機能もあり、プライバシーを重視した設計になっている点も特徴的である。

"ビットコインスタイルの暗号化"でプライバシーを保護

マスク氏は、XChatがプログラミング言語Rustを用いた新しいアーキテクチャで構築されており、「ビットコインスタイルの暗号化」を備えている点を強調している。しかし、ビットコインは主にブロックチェーン技術やプルーフ・オブ・ワーク、暗号署名によってセキュリティを担保する仕組みをとっており、マスク氏の言う「ビットコインスタイルの暗号化」が何を指しているのかは定かではない。「新しいアーキテクチャ」がどういうものかも不明である。

XChatが暗号化やプライバシー保護に重点を置いている背景には、ユーザーのプライバシー意識の高まりと同時に、Xを多機能なスーパーアプリに進化させたいマスク氏の構想が反映されていると思われる。

Xが中国のWeChatのようにさまざまなサービスを網羅するアプリになるためには、個人情報や通信内容を安全に扱えることが不可欠である。また、近年のSNSやメッセージアプリに対する監視・検閲への懸念も、匿名性を重視する動機につながっていると考えられる。

マスク氏は、スケーリングの問題が発生しなければ、今週中にもXChatを全ユーザー向けに展開すると発表している。