2025年の半導体市場は7000億ドル超えの規模へ

世界半導体市場統計(WSTS)による「WSTS 2025年春季半導体市場予測」が6月3日に発表された。

それによると、2024年の半導体市場は前年比19.7%増の6305億4900万ドルとなり、続く2025年も同11.2%増の7008億7400万ドルと2年連続の2桁成長が予測され、2026年も同8.5%増の7606億ドルとしており、3年連続でのプラス成長が期待されるという。

  • WSTS 2025年春季半導体市場予測

    WSTS 2025年春季半導体市場予測のサマリー (出所:WSTS)

市場のけん引役は引き続きAI関連

2024年の半導体市場をけん引したのはAIデータセンターへの投資で、その需要の中心であるGPUならびにメモリが市場をけん引したとするが、その一方でAI関連以外の分野については自動車関連を含めて低調で、用途による二極化が顕著であったとする。

  • 製品カテゴリ別半導体市場予測

    製品カテゴリ別半導体市場予測 (出所:WSTS)

2025年についても、引き続きAIデータセンター関連の投資は好調で、当該分野からの需要の高さからメモリならびにロジックについては高い成長が期待できるとしている。また、AI関連以外でも、中国の補助金政策によりスマートフォン(スマホ)や家電などが押し上げられることが期待される一方で、関税問題や輸出規制を含む地政学的リスクの高まりなどといった不透明要素が多いことから、通年では弱含んだ予測としたという。

  • IC製品別の市場予測

    IC製品別の市場予測 (出所:WSTS)

2026年にはエッジAIの需要拡大も期待

2026年についても、AI関連の需要がけん引役となるとみており、中でもエッジAIなどの応用領域の拡大に伴い、電子機器への半導体搭載金額の増加につながることが期待されるとする。ただし、2025年から続く地政学的な不透明要素も残っているとするが、経済が安定していることを前提とした場合、すべての製品群でプラス成長が予測されるとしている。

  • 世界の地域・国別半導体市場予測

    世界の地域・国別半導体市場予測 (出所:WSTS)