OKIは5月27日、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)が主催する「WaaS(Well-being as a Service)共創コンソーシアム」の取り組みとして、駅利用者における「健康意識・行動の変化に関する実証実験」を実施した結果について発表した。
実証では、一般消費者に対しOKIの睡眠習慣改善サービス「Wellbit Sleep(ウェルビット スリープ)」を提供。これまでWellbit Sleepは健康経営を目指す企業の従業員に対して提供していたが、今回の実証実験では駅近郊の店舗や健康測定、対面イベントなどのオフライン企画と連動し、健康意識や睡眠に関する行動の変化を確認した。
Wellbit Sleepは、利用者がLINEなどのスマートフォンアプリに日々の睡眠時刻や睡眠に関するアンケートを入力することで、パーソナライズされた行動アドバイスのメッセージを受け取れる、睡眠習慣の改善を支援する行動変容サービス。
実証実験の背景
睡眠や健康は生活に大きな影響を与える。特に睡眠に関しては悩みを抱えている人が多いにもかかわらず、改善が難しい健康課題の一つとされる。継続的に睡眠習慣を改善していくためには、日頃から健康状態を把握することが必要となる。
そこでOKIらは、日常的に利用する人が多い「駅」を気軽に利用できる健康測定場所として活用し、行動変容を促す実証実験を開始した。
実証実験の概要
今回の実証実験では、オンラインとオフラインを組み合わせたOMO(Online Merges with Offline)手法を用いて、Wellbit Sleepの提供をはじめ、駅構内での健康測定やスポーツジムでのリアルイベントを実施した。
Wellbit Sleepは収集した利用者の行動や時系列データを分析し、習慣化させたい対象行動に合ったタイムリーな利用者向けメッセージを生成する。睡眠改善が期待できるヨガや瞑想体験のリアルイベントを実施し、Wellbit Sleep内でヨガや瞑想の睡眠効果を伝えるリテラシーのメッセージ配信と、アプリ内でのヨガや瞑想動画の配信を組み合わせることで、利用者の睡眠改善の行動変容効果の向上を目指した。
実証実験の結果
今回の実証実験では、不眠重症度を示す評価尺度であるISI(Insomnia Severity Index)をベースとしたアンケート測定で、Wellbit Sleepの利用前後で睡眠課題の自覚を調査した。その結果、約8割に中途覚醒や寝つきの悪さなどの睡眠課題の改善傾向があることが確認された。
睡眠効率(「ベッドに横になっていた時間」に対して、「実際に眠っていた時間」の割合)が85%未満のグループは、約6.3%の改善傾向が見られた。また、ヨガや瞑想体験のリアルイベントに参加をした利用者は、イベントに参加していない一般利用者と比べて睡眠課題の改善傾向が高い結果があったという。これにより、オンラインとオフラインを組み合わせることで、睡眠習慣の改善効果がさらに高まることが示された。