M&Aプロパティーズ社長・中村幸司「飲食業界特化のM&A会社として顧客の信頼を得て伴走する」

当社は外食業界に特化したM&A(企業の合併・買収)アドバイザリーサービスを手掛けている会社です。事業承継から、子会社や事業部門の売却、大手企業との資本業務提携、再生案件などに対応しています。

 持ち株会社のナシエルホールディングスを始めとしたナシエルグループでは、飲食企業の経営をサポートし成長戦略の実現化を目指す、伴走型実務支援サービスを進めており、その中でM&Aを担っている形です。

 飲食業界は、日本の他の産業以上に人手不足、高齢化が進んでおり、事業承継のご依頼も増えています。資材の高騰などインフレの影響も受けており、業界の環境は10年前と様変わりしています。新規出店をしたくても、出店コストが高かったり、採用ができないという課題を抱えている企業も多いのです。

 日本では後継者難で黒字廃業の恐れがある企業が60万社あると言われますが、外食産業が2割ほどを占めています。M&Aの機会も増えているわけですが、マイナスの話だけではありません。外食は常に発展・成長していますから、ゼロから始めて、すぐに売上高が1億円以上になるケースもあり、参入したいというニーズも強いのです。金融環境も、コロナ禍が終わって落ち着き、マッチングが起こりやすくなっています。

 我々は、厳しい状況から生き残ろうとするお客様、成長を目指すお客様など、会社の置かれている状況、社長の考えをお聞きした上で、1件1件作り上げていくお手伝いをしています。

 機能として不動産仲介、人材紹介、フランチャイズ加盟開発、社内システム構築(HP制作含む)事業計画策定など、総合的にお手伝いができます。外食業界の困り事をサポートするための機能を、これだけ備えているのはナシエルグループだけではないかと自負しています。

 その意味で、当社はM&A仲介会社になろうと思ってできた会社ではありません。最初は居抜き店舗のマッチングサービスからスタートし、そこでオーナーさんから感謝されて、次々に依頼が舞い込んできました。そこから自然にお客様が求める機能を増やしてきたのです。

 お客様の悩み事を解決する上で大事なのは信頼関係です。我々はサービスを通じて信頼関係を構築することを非常に大切にしており、結果、5年後、10年後に返ってくるものだと考えています。今、ご支援している案件が、5年後の事業承継につながることがあるのです。

 また、ナシエルグループでテンポスマートという店舗物件専門のポータルサイトを運営しています。我々の調べでは業界トップクラスの月間約10万人の方々にご利用いただいています。

 いわば、日本の中の元気な約10万人の方々が集まっているわけです。フレッシュで、元気に出店したい人たちが集まるわけですが、個別にコンタクトしながら、ご相談に応じています。

 しかも、我々が対話するのは基本的に社長です。10店舗展開している会社でも、100店舗展開している会社でも、1件の投資も失敗できません。1店舗失敗すると5000万円から1億円の価値を失うからです。

 そうした緊張感のある中でお仕事をさせてもらい、信頼していただいて、社長同士のつながりの中でご紹介いただくことも多いのです。お客様と信頼関係でつながらせていただいていることを、非常にありがたいと想いながら仕事をしています。

 我々のビジョンは「想いをつなぎ続ける」です。皆さんの想いを実現するためのお手伝いをするのが我々の役割です。