AI搭載で全行程を自動化した切削加工機
自動化装置や製造AIソフトウェハの研究・開発を手掛けるアルムと産業機械を手掛けるスギノマシンは5月12日、共同開発パートナーシップに基づき切削加工のすべての工程を完全自動化した次世代型切削加工機「TTMC」の量産機の発売を開始したことを発表した。
同加工機は、アルムが独自開発したAIソフト「TTMCブレイン」を搭載することで、金属・樹脂部品の切削加工工程の全12工程を完全自動化することを可能とした。中心となる切削加工機には、高精度な加工が可能なスギノマシンの同時5軸(X軸、Y軸、Z軸、回転軸、傾斜軸)マシニングセンタ「セルフセンタSC-V30a」をTTMC用にカスタマイズしたものを採用し、CADデータを読み込ませるだけで、加工に必要な機械の動作のためのプログラムの作成、素材や工具のセット、心出し、除去領域の測定、仕上げ加工指令などの工程すべてを自動で行うことができるため、切削加工の未経験ユーザーでも、複雑かつ高精度な加工を実現することができるとする。
クラウド連携で加工のみならず、将来は調達まで自動化を計画
また、加工機には、素材や工具の摩耗状態を記録してメーカーに自動発注する機能も備えているほか、TTMCブレインの機能として、ユーザーの要望次第ではアルムのクラウド環境にアクセスして、ソフトを最新の状態にアップデートしたり、機械のリモートメンテンナンスを行なったりすることができたり、将来的には調達ネットワークへの参画も予定されており、部品発注、加工企業への振り分け、NCプログラムの生成、加工実行、物流システムに至るまで完全自動で行うことを目指すとしている。