BetaNewsは5月7日(現地時間)、「Microsoft now has AI agents that can change Windows 11 settings -- should we be delighted or terrified?」において、AIエージェントがWindowsの設定を制御することには潜在的な問題があると指摘した。
MicrosoftはWindows 11に対しさまざまなAI機能の搭載を進めており、特にCopilot+ PCでは日常的な作業の多くの部分でAIを活用できるようになると説明している。
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Microsoft now has AI agents that can change Windows 11 settings -- should we be delighted or terrified?
AIエージェントがシステム設定の検索・変更を実行
Microsoftが現在テストしているWindows 11向けのアップデートでは、AIエージェントがユーザーの自然言語による入力を理解して、システム設定の検索や変更を行えるようになった。
この機能が有効になると、ユーザーが「マウスポインターが小さすぎる」と入力することで、AIエージェントがマウスポインターの大きさを変更する方法を説明したり、実際にユーザーに代わって設定を変えたりしてくれるようになるという。
AIはデバイス上で動作するため外部にデータを送信することはなく、ユーザーのプライバシーを保護しながら、意図を正確に把握して適切なアクションを提案する。Microsoftは、ユーザーからのフィードバックを受けて、設定変更の手順を簡素化するためにこの機能を開発したと説明している。
AIの高機能化、喜ぶべきか警戒すべきか
確かに、Windowsの設定を行うのに、設定アプリの中を探して変更すべき項目を探し出すのは骨が折れる作業だ。特に初心者や技術に不慣れなユーザーにとって、設定変更のハードルを下げる効果は大きいだろう。しかし、AIに設定を任せることはただ便利という話では済まないとBetanewsは指摘している。
例えば、AIがユーザーの意図とは異なる変更を加えてしまった場合、元に戻す方法や、元に戻させる指示の出し方がわからないというリスクがある。特に、設定変更はシステム全体に影響を及ぼす可能性があるため、意図しない変更を防ぐための対策が必要だ。
また、設定の操作に新たな手段が加わることによって、悪用される可能性が高まり、セキュリティ上の潜在的なリスクとなる可能性も否定できない。
Snapdragon搭載のCopilot+ PC向けに提供
このAIエージェント機能は、当初はSnapdragon搭載のCopilot+ PC向けに提供され、今後はIntelおよびAMD製CPU搭載のデバイスにも展開される予定となっている。現在は英語入力にのみ対応しており、他言語への対応は未定である。したがって、当面の間はこの機能を利用できるユーザーはごく少数に限られるだろう。
リコール機能の大々的な発表後に、多くの反発を受けてリリースを延期したように、Microsoftはユーザーからのフィードバックを重視して機能改善に反映する方針を示している。ユーザー体験の向上と安全性の確保を両立させるために、同社には慎重な対応が求められる。