AIは創造的な仕事でも使われるようになっているが、ベンチャーキャピタル(VC)はAIによる置き換えがきかない--。シリコンバレーのVCであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏がそのような見解を示している。
VCの仕事は人間の側面、テイスト、心理学など無形の側面が重要
アンドリーセン氏は、Andreessen Horowitz(a16z)を共同創業したBen Horowitz氏と、1時間半にわたるポッドキャストでVCをテーマに対談]した。
アンドリーセン氏は、VC業を植民地時代に新大陸を求めた欧州諸国の航海の資金提供、ベストセラーを狙う出版社やヒットを狙うレコードレーベルなどの延長として語りながら、VCの仕事は「起業家と一緒にプロジェクトを実行するのを支援すること。これはサイエンス(科学)ではなくアート(芸術)」とアンドリーセン氏は述べている。
そして、同氏は「過去70年を振り返ると、ほとんどのベンチャー投資家はその時代を代表する企業に投資する機会を逃している。素晴らしいと言われるVCがその時代の成功した企業に投資できた比率は、10社中2社程度ではないか。(VCは)まぐれのビジネス」と続けた。
「科学的でありたいが」とアンドリーセン氏は述べながら、VCの仕事は人間の側面、テイスト、心理学など無形の側面が重要だという。
同氏は「(その起業家が)プレッシャーに耐えられる人物か、など心理学の要素が多い」と説明している。最後にアンドリーセン氏は、AIは大半のことができるが、最後に人間に残るものの1つがVCではないか、と述べた。