三井住友海上火災保険とNECは4月23日、照会応答機能の高度化に向けた業務特化型LLM(大規模言語モデル)を開発し、22日から三井住友海上の全社員が利用する社内向け生成AI基盤「MS-Assistant」にて運用を開始したと発表した。

取り組みの概要

三井住友海上とNECは、業務効率化に資する照会応答支援機能の回答精度向上に向けた技術検証を継続的に進めている。今般開発したLLMは、約1.2万人の三井住友海上社員によるフィードバックを分析・学習し、ドキュメント検索等に活用できる仕組みを実装した。

これにより、システム利用者(社員)自らがAIを育て、実効性の高いAIと協働することで業務効率化を図る。さらに、生成AI特有のリスクであるハルシネーションを考慮し、適切な利用に向けたルールを全社員に周知・徹底している。

今後の展開

三井住友海上とNECは、照会業務の効率化と顧客対応品質の向上に向けて、保険約款やFAQなどのデータを追加し、機能拡充を進める。

さらに、保険代理店システムへの生成AI活用を検討し、保険業界に特化したLLMの導入を進めることで、保険代理店の業務効率化と顧客への提供価値の変革を目指していく方針。