TenstorrentのAIサーバを活用したホスティングサービスの提供を開始
Unsung Fieldsは4月18日、TenstorrentのAIプロセッサ「Wormhole」を搭載したAIサーバ「Tenstorrent Galaxy Wormholeサーバ」を活用したAIクラウドホスティングサービスを2025年6月より提供する計画を発表した。同社は2024年8月に設立されたデータセンター開発支援スタートアップ。
生成AIを中心としたAIの活用ニーズが世界的に高まりを見せているが、幅広く社会でAIを活用していくためには推論にかかるコストの抑制が必要とされている。しかし、GPUベースの推論では、システムの価格が高価であり、その解決ソリューションが求められ、各社推論に特化したAI半導体などを提供するなど、競争が激化してきている。
TenstorrentのWormholeはそうした推論に加え、学習用途にも耐えうるAIプロセッサで、高速推論、低レイテンシ、高スループット、スケーラビリティといった点を特徴としている。Unsung Fieldsでは、このWormholeをすぐに試して、すぐに活用できることを目指したクラウドインフラの整備を推進。グローバルに向けて、サービスの提供を行うことを今回、正式決定したとする。
サービスの提供に先がけて先行予約を開始
Galaxy Wormholeサーバは、Wormholeプロセッサを搭載することでAIワークロードに特化して設計されたスケーラブルかつ高密度な次世代サーバ。具体的には、1サーバあたり32個のWormholeプロセッサをメッシュトポロジで接続し、高並列処理と柔軟なスケーリングを両立させることで、生成AIやLLMなどのAIワークロードにおいて、従来型アーキテクチャを超える性能を提供することが可能だという。
なお、6月より提供が開始されるAIクラウドホスティングサービスは、初期拠点を日本の大阪とするが、世界中のスタートアップ、研究機関、大企業などを顧客として考えており、ログイン直後から利用可能なプリセット済み環境を提供する予定としている。
Unsung Fieldsでは、AIクラウドホスティングサービスのほか、2025年10月にはTaaS(Token as a Service)の提供も予定している (出所:Tenstorrent/Unsung Fields)
また、4月18日付で公式Webサイトにて先行予約の受け付けを開始したとのことで、先着順で提供枠を確保するとしている。
Unsung Fieldsでは、Tenstorrentとの戦略的連携を軸に、日本国内での小規模分散型データセンターの展開を進め、大坂をはじめ4~5拠点体制を構築するとともに、世界中の開発者が活用可能なAIクラウド基盤としてサービス提供エリアの拡大を進めていくとしており、将来的には北米、欧州、そのたのアジア地域へも展開していきたいとしている。