Microsoft専門のニュースサイト「Windows Latest」は4月9日(現地時間)、「KB5002700 crashes Office 2016 Word, Excel, Outlook on Windows」において、4月8日にリリースされたMicrosoft Office 2016のセキュリティ更新プログラム(KB5002700)に不具合が存在し、Word、Excel、Outlookの機能が停止すると報じた。
Outlookのカレンダーを表示した場合や、Word、Excelの新規ドキュメントの作成でクラッシュする可能性があるという。
Microsoftも不具合を確認
Microsoft Office 2016のセキュリティ更新プログラム(KB5002700)はリモートコード実行(RCE: Remote Code Execution)につながる脆弱性など、緊急性の高い複数の脆弱性を修正しており、Microsoftはインストールを推奨している。
しかしながら、この更新プログラムをインストールすると、Word、Excel、Outlookの応答が停止する可能性がある。Microsoftは更新情報の中で次のように述べ、不具合の発生を認めた(参考:「Description of the security update for Office 2016: April 8, 2025 (KB5002700) - Microsoft Support」)。
Office 2016のセキュリティ更新プログラム(KB5002700)をインストールすると、Microsoft Word、Microsoft Excel、Microsoft Outlookが応答しなくなることがあります。現在この問題を調査しており、情報が入り次第、掲載する予定です。
なお、この不具合はMicrosoftインストーラー(MSI)版のOffice 2016に影響し、Microsoft Office 365など他のエディションには影響しないという。
回避策
Windows Latestはこれら不具合の回避策として、以下を提示している。これら回避策はユーザーの報告をもとにしており、公式の回避策ではない点に注意する必要がある。
- Outlook -「ファイル」→「オプション」→「カレンダー」の「天気を表示」オプションをオフにする
- Word、Excel - アプリをセーフモードで開き、Adobe PDF Maker COMアドインを無効にする
これら回避策を実行しても解決しない場合および回避策を実行できない場合は、更新プログラムをアンインストールすることで解決する可能性がある。しかしながら、Windows 11の場合はWindows Updateの「更新の履歴」に記録が残らず、「更新プログラムをアンインストールする」画面からアンインストールすることができないとされる。
Windows Latestは手動でアンインストールする手順を公開しているが、レジストリーなどから情報を収集する必要があり、ある程度の知識があるユーザー以外には推奨されない。
セキュリティ更新プログラム(KB5002700)は重要な脆弱性を修正しており、速やかなインストールが望まれているが、正常に動作しないのであれば意味がない。Windows Latestは正式に修正されるまで、インストールを推奨しないとコメントしている。