中国発のLLM(大規模言語モデル)「DeepSeek」が業界を驚かせて約2カ月、米国と中国のAI開発競争が激化している。先行した米国を中国が追いかける構図だが、その差は縮小しているという。スタンフォード大学が最新の指標を発表した。
米国は明確なリードを持っているところはない
スタンフォード大学の「Human-Centered AI Institute(HAI:人間中心のAI研究所)」が発表した第8回目の「AI Index Report」によると、AIモデルのプロダクションで米国は依然としてトップを走っているが、中国はその差を縮めつつあるという。
レポートによると2024年の注目すべきモデルの発表数は、米国にある研究機関は合計40、中国は15、欧州は3だった。MMLU、HumanEvalなどの主要ベンチマークを見ると、2023年には2桁の差があったが、2024年にはほぼ同じになっているとのこと。論文数と特許数では中国は米国を上回っているという。
民間の投資額は、米国は2024年に1091億ドル、これは中国の93億ドルの12倍、英国の45億ドルの24倍としている。企業間でも当初OpenAIとGoogleがモデルで大きくリードしていたが、Meta、Anthropic、xAIなどからも信頼性の高いモデルが登場しているとの報告がある。このような状況から「競争は接近しており、明確なリードを持っているところはない」とレポートでは言及されている。