日本製鉄の連結子会社であるタイの冷延・溶融亜鉛めっき・ブリキ鋼板メーカーであるNS-SUSは4月4日、製缶メーカーを中心とした顧客からの容器用ブリキ鋼板供給ニーズに対応すべく、Electric Plating Line(EPL)において約20億バーツ(約89億円)の能力拡張投資を決定したことを発表した。
設備投資の概要
タイは、日本製鉄が1963年から製品加工拠点を展開するなど、海外事業戦略の中で最も重要な戦略市場の一つ。日本製鉄グループとして、2022年に買収したG/GJ Steel(累計投資額約179億バーツ(約788億円))も含め、現在、直接・間接合わせた30社の現地事業会社を運営、合計約8000人を雇用し、タイにおける鉄鋼~最終需要家に至るサプライチェーン構築を通じタイ国内産業の発展に貢献している。
タイは食缶の一大輸出拠点として産業が集積し、容器用ブリキ鋼板は引き続き堅調な成長と拡大が見込まれている。
今回NS-SUSは、タイ国内でのさらなる自国産化の推進、サプライチェーンの強化・発展に資するべく、容器用ブリキ鋼板の供給能力を増強する設備投資を決定した。
この結果、NS-SUSのブリキ鋼板製造能力は、現状の28万トン/年から35万トン/年へ拡大する。また今回の能力増強投資は2027年3月に完工する予定。