ミャンマー連邦共和国(ミャンマー)中部で3月28日に発生した大地震について国土地理院(茨城県つくば市)は2日、ミャンマーを縦断する断層に沿って南北で400キロ以上にわたって最大6メートル程度横ずれしていたことが分った、と発表した。衛星の観測画像を解析した結果で、内陸の活断層地震としては珍しい規模の地殻変動とみられる。

米地質調査所(USGS)によると、ミャンマーでは先月28日午後0時50分(日本時間午後3時20分)ごろ、中部マンダレー近郊を震源とするマグニチュード(M)7.7の大きな地震が発生した。現地からの報道によると、3日現在の死者は3000人を、負傷者は4700人を超え、これらの数字はさらに増えるとみられる。

国土地理院は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号」の合成開口レーダーによる観測データを詳しく解析した。その結果、ミャンマーを南北に縦断する「ザガイン断層」に沿って、マンダレーの北方から首都ネピドーの南方にかけて南北400キロ以上の地殻変動を確認した。ザガイン断層を挟んで西側が北向きに、東側が南向きに横ずれしていて、最大のずれ幅は6メートル程度だったという。

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    ザガイン断層の地殻変動を地球観測衛星「だいち2号」の観測したデータの解析画像(国土地理院提供)

この震源はユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートの境界に近く、2012年にもM6.8の大きな地震が発生した。11年の東日本大震災では長さ450キロの長大な断層が破壊されている。

ミャンマーの大地震では、震源から1000キロ以上離れた隣国タイのバンコクでも建物が倒壊するなどの被害が出たことが報じられている。揺れが1往復する時間が長く、遠方まで伝わりやすい「長周期地震動」が原因とみられる。大きな川の河口付近に位置し、地震波と建物固有の揺れの周期が一致する共振が軟弱地盤で増幅した可能性がある。

ミャンマーでは2021年の軍事クーデーター以降、国軍主導の組織が統治し、その後民主派勢力と対立してきた。地震後に軍事政権は非常事態宣言を出した。現地からの報道によると、政権は大震災で統治能力を失っていて救援活動は混乱。国際社会の支援が求められているという。

こうした中で日本政府は国際緊急援助隊医療チームをミャンマーに派遣した。また、赤十字国際委員会(ICRC)など国際赤十字関係組織は「被災地の状況は人道危機」と位置づけて国際社会の支援を求めている。現在、被災地現地のミャンマー赤十字社のほか、日本赤十字社など各国の赤十字社が国際赤十字活動の一貫として支援活動に乗り出している。

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    地震直後からミャンマーの被災地で行方不明者の捜索、救助活動などを行っているミャンマー赤十字社のスタッフ(ミャンマー赤十字社/日本赤十字社提供)

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