北海道大学(北大)は4月1日付で「半導体拠点形成推進本部」を改組し、半導体教育研究推進のヘッドクォーター機能を担う「半導体フロンティア教育研究機構」を設置したことを発表した。

同機構は、2023年10月に同大の学内各組織が持つ半導体教育研究資源を効果的に統合し、ヘッドクォーター機能を有する拠点を学内に形成することを目的として設置された「半導体拠点形成推進本部」の取り組みを踏まえて、これを改組し、北大の半導体教育研究拠点とすることを目的に設置されたもの。

半導体拠点形成推進本部の本部長を務めた山口淳二 理事・副学長(北海道半導体人材育成等推進協議会人材育成・確保ワーキンググループ座長)が機構長に就任したほか、葛西誠也 総長補佐・量子集積エレクトロニクス研究センター教授、江崎敦雄 元産学・地域協働推進機構副機構長が副機構長に就任。このほかの組織体制として、「半導体教育研究開発戦略室」(室長は秋永広幸 情報科学研究院教授)および、半導体の開発・利用に必要な要素ごとに統合する「半導体材料スマート創製部門」(部門長は島田敏宏 工学研究院教授)、「次世代プロセス開拓部門」(部門長は松尾保孝 電子科学研究所教授)、「次世代デバイス創発部門」(部門長は植村哲也 情報科学研究院教授)、「半導体機能解析部門」(部門長は柴山環樹 工学研究院教授)、「次世代応用システム創生部門」(部門長は浅井哲也 情報科学研究院教授)が設置され、各学内組織と連携を図りながら半導体教育研究推進機能の強化を目指すとする。

具体的な活動内容としては、先端半導体と北大の強みである「AI・データサイエンス」「フィールド科学」を活かし、自らの専門を高めつつ自由な発想に基づき価値創造に資する半導体を生み出す、いわゆる半導体を「つくる」人材の育成、ならびに半導体や半導体×デジタルの新たな使い方を暮らしに取り入れ社会の持続的な発展をもたらす、いわゆる半導体を「つかう」人材の育成の推進を図っていくとするほか、半導体開発に資する研究に加え、半導体の新たな利用開拓(ユースケース開拓)を見据えた研究の推進による半導体製造における課題解決、半導体の新たな利用先の創出による産業創出・経済社会システムの構築、教育研究の実践の場としての設計・前工程・後工程・評価に係る一連の装置を備えた「半導体プロトタイピングラボ」の整備による半導体分野の高度人材育成・輩出や研究成果の社会実装の加速などを掲げている。

なお、同大では、半導体関連の全学的な方針などの策定や学内の教育研究資源の効果的な統合、学外機関との連携強化、教育研究基盤の整備・運営を進め、教育研究機能の強化を図ることで、日本全体および北海道地域における持続的な人材の確保、研究開発の高度化、産業政策の推進と地域社会の活性化に貢献していきたいとしている。