NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月27日、北陸電力送配電、富山電気ビルデイング、NTTデータ北陸らの協力により、変電所の設備点検業務の効率化と安全性向上を目的とした実証実験を2月と3月に実施したことを発表した。実証ではセルラードローン「Skydio X10」および屋外用ドローンポート「Skydio Dock for X2」を用いて、自動航行を活用した巡視点検の有効性を確認した。
実証の背景
変電所は電力供給において重要なインフラであるが、多くの施設では常駐の作業員がいないため、日常の巡視点検において効率的な運用が求められる。特に最寄りの事務所から現場まで距離がある場合は作業員の負担が大きく、ドローンなどを活用した点検作業の自動化が期待される。
実証の概要
今回の実証ではこれらの課題を解決するために、Skydioのドローン「Skydio X10」および屋外用ドローンポート「Skydio Dock for X2」を活用した。「Skydio X10」は上下6つのカメラにより自己位置を推定することでGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)環境に依存せず飛行できるため、送電・変電に関する設備が集中するエリアでも飛行可能。
実証ではLTEおよび無線通信(Wi-Fi)を用いた飛行性能を確認し、送電・変電に関する設備が集中するエリアであっても「Skydio X10」が安定して飛行できることが確認された。
また、自動充電機能を持つドローンポート「Skydio Dock for X2(Outdoor Dock)」を用いることで、操縦者が遠隔に設置されたドローンへ飛行指示を行える。実証では変電所内に設置されたドローンポートに自動巡視飛行計画を設定し、複数回自動巡視飛行・撮影することで安定して画像や動画素材を取得できることが確認された。