日本製鉄は3月25日、日鉄興和不動産が発注する「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」の地上躯体のスラブコンクリート工事において、受注者の鴻池組が環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」を適用し、コンクリート材料に由来するCO2排出量を約28%削減したと発表した。

(仮称)BIZCORE飯田橋計画の建設地は千代田区飯田橋二丁目 14-9 外(地番)。延床面積は 5,245.23平方メートルで、地上9階。

  • 「(仮称)BIZCORE飯田橋計画」の外観予想パース

工事の概要

同工事では、普通ポルトランドセメントの30%を高炉スラグ微粉末(BF)に置き換えたA種クラスのCELBICを2階から屋上階のスラブに用い、高炉スラグ微粉末には、エスメント(日鉄スラグ製品製)を使用。

コンクリートのCO2排出量の多くはセメントによるものであることから、普通ポルトランドセメントの一部を排出量の少ない高炉スラグ微粉末に置き換えることで、コンクリート材料に由来するCO₂排出量を約28%削減できた。

併せて、杭も普通ポルトランドセメントの40~45%を高炉スラグ微粉末に置き換えた高炉セメントB種を適用することにより、CO2排出量を約43%削減した。

CELBICとは

CELBICはCELBIC研究会が開発した環境配慮型BFコンクリートで、セメントの一部を高炉スラグ微粉末に置き換えることによってコンクリート材料に由来するCO2排出量を削減する。

高炉スラグ微粉末は、製鉄所において銑鉄を生産する際に生成される副産物であるため、これを積極的に活用することは、副産物の有効利用や天然資源の使用削減にもつながる。

また、CELBICでは建築コンクリート構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、建物の部位によって高炉スラグ微粉末の使用率を10~70%の範囲で調整することが可能。

  • コンクリート打設状況