NTT コムウェア、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTアーバンソリューションズの3社は、NTTグループ各社が連携して推進する、品川港南エリアの街づくりプロジェクトである「品川港南2050プロジェクト」の一環として、3月21日~22日に、IOWNを体験できるイベント「IOWNショーケース」を開催した。

  • 未来をつなぐ街づくり×IOWN(イメージ)

    未来をつなぐ街づくり×IOWN(イメージ)

IOWNとは、Innovative Optical & Wireless Networkの略で、最先端の光技術を使って、豊かな社会を創るための構想のこと。

同イベントは、品川港南エリアでの新しい価値の創造や共創活動の創出を目指す、NTTアーバンソリューションズ主催の「品川テクノロジーテラス2025」の展示の一つとして、「IOWNを活用した未来の街づくり」をテーマに実施された。

NTT コムウェアが品川本社ビル内に新たに開設した「IOWN技術実証施設」をイベント期間のみ一般に公開し、遠隔地のコンピューティングリソースをリアルタイムに利用できるディスアグリゲーテッドコンピューティング技術を活用したユースケースやビル運用におけるリモート遠隔保守など、IOWNを体感できる展示を行った。

今回、展示されたのは「大容量の3D映像生成・配信を利用したイマーシブ空間制御」「遠隔のGPUリソースを利用した街づくりデザイン体験」「CityTwinOpsによるビル管理リモートオペレーション(NTT Com「SDPF for City」のソリューション連携)」「デジタルツインによるロボット遠隔制御」「IOWN技術を活用したリアルタイムコミュニケーション体験」の5点。

本稿では、一般公開に先駆けて行われた報道関係者向けの展示紹介の中から「大容量の3D映像生成・配信を利用したイマーシブ空間制御」と「IOWN技術を活用したリアルタイムコミュニケーション体験」の2点をレポートする。

  • IOWNショーケース(イメージ)

    IOWNショーケース(イメージ)

「大容量の3D映像生成・配信を利用したイマーシブ空間制御」

「大容量の3D映像生成・配信を利用したイマーシブ空間制御」は、コンピュータ上で再現した品川港南の仮想空間への没入体験を感じられるブース。前面と足元に広がった巨大スクリーンと3Dグラスによって、3D空間にダイブすることができる。

同展示では、ゲームのコントローラーを用いて、品川の街に「建物の種」をまくというゲームの体験が行われた。

  • 建物の種をまいて街を育てるゲーム

    建物の種をまいて街を育てるゲーム

同技術を活用することによって、APNの大容量・低遅延により、インタラクティブな高精細3D体験を実現したという。これにより、遠くにいる仲間と同時に空間を共有し、リアルタイムな共同作業を可能にするという。

さらに高速・低遅延ネットワークでスクリーンと3Dグラスを同期しているため、「まるでそこにいるかのような」没入感を得ることができる。

「IOWN技術を活用したリアルタイムコミュニケーション体験」

「IOWN技術を活用したリアルタイムコミュニケーション体験」は、APNによる遠隔地とのリアルタイム接続を「VR卓球」を通じて体験できるブース。この展示では、コントローラーのモーション信号から、ラケットのストロークやボールのバウンドなどをシミュレーションしてVRで表示している。

  • VR卓球をプレイする様子

    VR卓球をプレイする様子

同技術を活用することによって、カメラ映像を通じて、遠隔にいる相手を見ながらリアルタイムなコミュニケーションが可能。さらに、APNの低遅延により、モーションキャプチャーとシミュレーションによる画面表示をズレることなく表示することができる。

「離れた人同士が同じ場所にいるかのようにつながれる」という特徴を生かして、病院や介護施設など、外出の難しい人たちでも外部施設との交流を楽しめるようなサービスとして活用を展開していきたい構えだという。

今後の展望

なお同イベントにおける各社の役割としては、NTTコムウェアが「イベントの設営および運営」、NTT Comが「SDPF for City ソリューション提供」、NTTアーバンソリューションズが「イベントの企画および品川テクノロジーテラスのイベント全体企画運営」を実施した。

今後は、さらなるIOWN推進にむけ、IOWN技術実証施設を活用し、国内外のパートナーと共にさまざまな実証やユースケース創出などの議論を進めていく予定。