富士通は3月21日、基幹業務を支えるオフィスコンピュータ(以下、オフコン)で構築されたレガシーシステム資産をDX(デジタルトランスフォーメーション)基盤へとモダナイズするためのオファリングを体系化し、モダナイゼーションマイスターによる専門家アドバイザリーサービス、および資産分析・可視化サービスをオフコン向けサービスとして、4月から国内提供を順次開始することを発表した。

  • オフコン向けモダナイゼーションのオファリング体系

    オフコン向けモダナイゼーションのオファリング体系

新オファリング提供の背景

富士通は1984年にオフコン「FACOM Kシリーズ」の国内提供を開始し、販売管理や生産管理、在庫管理、財務管理などのオフコンシステムの構築や運用保守を支援してきた。しかしオフコン上で稼働するアプリケーションやデータの老朽化、改修に伴うシステムの複雑化やブラックボックス化が進み、制度改正や法令準拠、ビジネスプロセスの変更に伴うシステム改修負荷が課題となっている。これらの課題は、デジタル化や、AIやデータの利活用、ビジネスモデル変革などを阻害する要因となっている。

オフコン向けモダナイゼーションのオファリングを提供開始

富士通はこうした課題に対し、レガシー技術に精通した専門エンジニア「モダナイゼーションマイスター」がオフコンシステムを最適な手法と技術でオープンシステムへ刷新するための構想策定と検討を支援するアドバイザリーサービス、生成AIを活用してオフコンシステムの最適なモダナイゼーションの計画策定を可能にする資産分析・可視化サービスなどの提供を開始する。企業や組織の環境変化に対する俊敏性(アジリティ)や強靱性(レジリエンシー)を高め、サステナビリティ経営を後押しするオフコン向けのサービスを拡充するという。

これにより同社は、全国の販売パートナーと共に、オフコンシステムの資産分析から、標準機能に業務を合わせるアプローチ(Fit to Standard)による汎用的な業務パッケージ製品への移行や既存のCOBOLアプリケーション資産の変換、最新のSaaSサービスを組み合わせた再構築に渡り最適な手法をトータルに提案することで、生産性向上やデジタル化を支援し、顧客のビジネス成長を支援するとのことだ。

なお、オフコンシステム環境を富士通のデータセンターで運用する「Cloud Service for オフコン」については、同サービスを提供する連結子会社のエフサステクノロジーズが、サービス販売を2025年度に、サービス提供を2030年度にそれぞれ終了することを発表した。