PCWorldは3月11日(米国時間)、「Giant, AI ads are coming to Windows Copilot. Thanks, Microsoft|PCWorld」において、MicrosoftがCopilotにAI広告を導入すると伝えた。

これはMicrosoftが「Transforming the future of audience engagement | Microsoft Advertising」と題して発表した「Microsoft Advertising Showroom ads」などのAI駆動型広告を指している。PCWorldはWindowsを広告配信プラットフォームに変えるこれら取り組みに懸念を示している。

  • Giant、AI ads are coming to Windows Copilot. Thanks、Microsoft|PCWorld

    Giant, AI ads are coming to Windows Copilot. Thanks, Microsoft|PCWorld

AI駆動型広告の導入

3月5日、Microsoftは消費者が望むパーソナライズされた体験を提供する方法の一つとして、広告配信の強化を発表した。同社は「顧客体験の未来は会話型です」と述べ、AIチャットボットとの会話内容を広告配信に活用することが全体の利益につながると力説している。

  • 会話から広告を表示する例 - 引用:Microsoft

    会話から広告を表示する例 引用:Microsoft

導入の発表された新しい広告配信システムは次のとおり。

Microsoft Advertising Showroom ads

この広告配信システムは実店舗のショールームと同様の体験をユーザーに提供する。具体的には広告主が提供するAIエージェントとの会話を可能にし、没入感のある体験を提供する。Microsoftは次のように述べている。

「ユーザーが特定の製品についてCopilotに質問および購入の意思を示すと、ショールーム広告体験に招待される場合があります。ここでは、豊富なスポンサーコンテンツがオーガニックな体験を補完し、ユーザーがCopilotに質問を続けることで製品メリットを紹介できます。将来的にはブランドエージェントがショールーム広告に統合され、仮想ブランド担当者と直接やり取りできるようになり、体験はさらに豊かになります」

動的フィルター

動的フィルターは探している商品の絞り込みを支援する。個人の好みに合わせた選択肢を提供し、会話を省いた素早い絞り込みを可能にする。

広告の動的生成

AIチャットボットのプロンプト入力を分析することで、広告の動的生成を可能にする。この実験の結果は良好とされ、現在は一歩進んだパーソナライズの取り組みを推進中とされる。

今後の取り組み

MicrosoftはこのAIを利用した広告配信をCopilotに制限せず、拡大することも明らかにした。具体的にはMicrosof t Edge、ゲーム、Windows スタートメニュー、Microsoft Storeにも適用するとしている。

Copilot広告については英語、フランス語、ドイツ語圏で本格的な展開が開始されている。日本語とスペイン語も今月中に開始され、それ以外の言語も順次開始される予定となっている。

考えられる懸念

これら広告配信はMicrosoftおよび広告主に大きな利益をもたらすと予想される。しかしながら望まないユーザーには煩わしく、また、入力したデータの収集、分析を通じて趣味嗜好を特定され、Microsoftに追跡される懸念がある。

この広告配信システムをオプトアウトできるのかはわからないが、Microsoftにはユーザーの声に耳を傾けることが望まれている。PCWorldは最後に次のように述べている。

「広告ブロッカーよ、私たちを救ってください」