産業技術総合研究所(産総研)は、明電舎と共同で、SiC CMOS駆動回路を内蔵したSiCパワーモジュール(SiC CMOSパワーモジュール)によるモーター駆動を世界で初めて実現したと3月12日に発表。高速スイッチング動作時のノイズ低減により、低損失化を達成したとしている。

  • SiC CMOS駆動回路を内蔵したパワーモジュールによるモーターシステムの概要(原論文の図を元にしたイメージ)

SiC(シリコンカーバイド)パワーデバイスは省エネルギー性能が高く、電気自動車やハイブリッド車のモータードライブ制御といった、高効率化が重要な分野において応用が進められている。

このようなパワーデバイスは、スイッチのオン/オフを繰り返すことで電力の変換を行うときにエネルギー損失(スイッチングロス)が発生するが、これは高速スイッチング動作(パワーデバイスのスイッチング速度を上げること)によって低減できる。

研究チームは、現行のSiCパワーデバイスはきわめて低速なスイッチング動作のみで用いられ、本来の省エネルギー性能を十分に引き出さずに使われていると指摘。その大きな要因は、高速スイッチング動作由来のノイズにより、現行の駆動方法ではSiCパワーデバイスが誤動作するリスクがあるためだという。こうしたノイズを低減可能な駆動方法を開発し、モーターシステムなどに適用することが求められている。

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