浜松ホトニクスは3月12日、韓国現地法人HAMAMATSU PHOTONICS KOREAが半導体故障解析装置の製造能力強化とグローバル市場における売上拡大を目的として、韓国の京畿道華城市に工場を新設、既存工場から新工場への製造拠点の移転を行い、2025年3月より本格的な稼働を開始したことを発表した。
HAMAMATSU PHOTONICS KOREAは、2020年3月に半導体故障解析装置の製造および韓国における画像計測機器の販売拠点として現地法人化され、これまで画像計測機器事業の強化と売上拡大を行ってきたという。
特に半導体故障解析の分野においては、韓国の半導体メーカーを中心としたニーズに沿った新技術の開発を推進してきた結果、シェアが拡大してきたとする。
近年のAI半導体を中心とする先端ロジックおよびメモリの高性能化、チップサイズの大型化などを背景に、歩留まりの向上に対するニーズが高まっており、そのためにも故障解析の重要性も向上。多くのデバイスを迅速に解析することを目的とした自動化などの効率化が図れる機能の搭載などが求められるようになってきているという。
今回の新工場の稼働は、そうした半導体故障解析装置に求められるさまざまな市場ニーズに対応する体制を強化することを目的としたもので、同社では故障解析のオートメーション機能として求められる、低倍率から高倍率へと自動で観察視点を切り替える機能ならびに、ウェハ全体を高速に検査し、プロセスの異常を早期に発見する機能の2種類を備えた装置の開発を進めているとする。
また、新工場では同社の電子管製品や光半導体製品を輸入・保管し、韓国市場に販売する際の商流の起点としての機能も新たに追加されているとする。
なお、新工場の概要は以下のとおりとなっている。
新棟概要
- 建物名称:HAMAMATSU PHOTONICS KOREA Dongtan(ドンタン)工場
- 建築場所:171, Dongtan Youngchun-ro, Hwaseong-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
- 建築工期:2024年8月、2025年2月竣工
- 稼働予定:2025年3月
- 建築構造:鉄骨造 地上2階
- 建物面積:建築面積 1908m2、延床面積2617m2
- 施設構成:1階(会議室、応接室、事務室、倉庫、組立および調整エリア、デモンストレーションンルーム)、2階(事務室、倉庫)
- 総工費:約4億円
- 収容人員:約100名
- 製造品目:半導体故障解析装置、u-LED検査装置
- 生産能力:約1000億ウォン(円換算で約110億円/売上高換算)