TISとクエストリーは2月28日、デジタル証券(セキュリティトークン)を活用したアニメ映画製作の資金調達に向けた業務提携契約を1月24日に締結したことを発表した。

これによりTISとクエストリーは、これまで十分に制作現場まで資金が回りきらなかった国内アニメ制作を含むコンテンツ産業の課題に対し、投資家が直接資金を投じられる新たな資金調達方法の導入を進めることで、課題解決に貢献していきたい構え。

  • 業務提携契約締結による協業イメージ

    業務提携契約締結による協業イメージ

取り組みの背景

昨今、「貯蓄から投資へ」の流れの中で「身近なもの、社会に良いものに投資したい」と考える投資家層の増加などもあり、「手触り感のある投資」を実現する手段としてセキュリティトークンを活用した資金調達が注目を集めている。

クエストリーでは、自己募集型の私募ファンド「Questry Global Anime ST Fund」でのセキュリティトークン発行を計画しており、システムの検討を行ってきた。

一方のTISは、STOプラットフォームの提供だけでなく、「愛着を感じるものへの投資」の実現に向けたユースケース創出を進めている。

STLINKは、証券会社や企業がセキュリティトークンの発行・管理業務を包括的に実現できるプラットフォーム。

SaaS型で導入における負担が少なく、セキュリティトークン事業を迅速に開始できること、両社が掲げる方向性も合致していることから、今回両社は、金融とITの力を活かし、コンテンツ産業での新たなエコシステム構築を目指すべく、業務提携契約に至ったという。

概要

今回の業務提携契約締結により、クエストリーの主力事業であるアニメ・コンテンツ制作の資金調達を実施するため、セキュリティトークンを活用したファンドを立ち上げられる。

TISは、STLINKの開発および提供、クエストリーはコンテンツとファンドの企画運営、コンテンツファイナンスの設計、セキュリティトークン事業に取り組み、2024年度内でのセキュリティトークン発行を計画している。