KDDIは2月19日、柔軟な容量拡張が可能なクラスタ型ルーター(DDBR: Distributed Disaggregated Backbone Router)のバックボーンネットワーク適用に向けた技術検証を2月14日に完了したことを発表した。
同社はAI時代のトラフィック増大に対応するため、同ルーターで構成される「スケールアウトネットワーク」を主要4拠点の商用バックボーンネットワークに2025年度中に導入する。さらに2027年度までに全国展開の完了を目指す。
このルーターは従来のシャーシ型(一体型)ルーターと異なり、ハードウェアとソフトウェアが分離しているため、筐体のスロット数などの制約に影響を受けずに必要な機器の増設を迅速に行えるようになる。同ルーターではケーブルを接続するラインカードの追加を行うことで、トラフィック増大に対し柔軟にスケールアウト(機器増設による処理能力向上)が可能となる。
ルーターの特長
ルーターはオープン化されたクラスタ型で構成され、トラフィック要件に応じてハードウエアを追加し、トラフィックの増大に対応して適切な容量のルーターを設計可能。また、大規模なルーター1台の構成を小規模なルーター複数の構成に変更することにより、冗長性を高めネットワーク全体の信頼性向上に貢献するという。
また、ピアリング・コア・エッジなどの領域に関わらず、同じアーキテクチャ・機器でネットワークを構築可能となる。これにより、予備品や検証・運用ナレッジを共通化でき、機器コストを低減しつつ効率的なネットワーク運用に寄与する。
特定のベンダーに依存せずさまざまなベンダーのハードウェアとソフトウェアを自由に組み合わせられるようになるため、要件に応じた新機能追加にも迅速に対応可能となる。