トヨタ自動車は新型燃料電池システム(第3世代FCシステム)を開発。乗用車に加えて大型商用車にもラインナップを拡大し、2026年以降に日本や欧州、北米、中国などの市場に投入する予定。東京ビッグサイトで開催される「H2&FC EXPO(水素・燃料電池展)」(会期:2月19~21日)に同システムを出展する。

  • 新型燃料電池システムのイメージ。(左から)乗用車向け、汎用向け、大型商用車向け

第3世代FCシステムは乗用車向け、汎用向け(定置式発電機、鉄道、船舶等)に加えて、大型商用車にも搭載できるよう設計。「水素社会をけん引する商用分野のニーズに応える」として、ディーゼルエンジンに並ぶ耐久性を追求し、燃費をはじめとするさまざまな性能向上と低コスト化も図ったという。

具体的には、耐久性能を同社従来比で2倍に引き上げ、メンテナンスフリーも実現。燃費性能は同1.2倍、航続距離も約20%向上させ、長距離運転にも対応可能。このほか、セル設計や製造プロセスも見直し、コストも大幅に削減可能としている。

トヨタは2014年に燃料電池自動車(FCEV)「MIRAI」を発売し、これまでに約28,000台を30カ国以上の地域で販売。2019年からはFCシステムの供給を開始し、バスや鉄道、定置式発電機などにおいて、2,700基を超えるシステムをグローバル100社以上の顧客に供給している。新たに発表した第3世代FCシステムは、こうした顧客の声や実証で得られた知見、長年蓄積した技術をもとに開発したとしている。