米Databricksは2月13日(現地時間)、同社の「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」をSAPがローンチしたクラウドベースのプラットフォーム「SAP Business Data Cloud」内でネイティブに統合できる新製品「SAP Databricks」を発表した。
「SAP Databricks」の概要
今回のパートナーシップにより、SAPクラウド内にある重要なビジネスデータを、データブリックスのプラットフォームに統合し「Unity Catalog」で管理されたデータウェアハウス、データエンジニアリング、AIの構築ができるようになるという。先日に同社は150億ドルの資金調達を発表しており、うち2億5000万ドルをSAP Databricksのデプロイと移行に割り当てる。
SAPのアプリケーションは、事業計画の策定や調達、人事、旅程管理などの意思決定を支援しており、企業はSAPデータを他のシステム上にあるビジネスの重要なデータと組み合わせることで、その価値を最大化したいと考えている。
しかし、これらのシステムは多岐にわたり、多くは今もオンプレミスのレガシープラットフォーム上にあることから、高度な分析やAIアプリケーションの開発を行うことを難しくなっていると指摘。
SAP Databricksは、データウェアハウスから、そのデータに基づいて推論を行うことのできるAIの構築まで、あらゆる用途に活用できるという。また、SAPデータをその他の企業データに容易に統合でき、「Delta Sharing」でSAP Databricks環境とネイティブのデータブリックスの環境(non-SAP)間で双方向のデータ共有を行うことで、複雑なデータエンジニアリングを必要とせずに、すべてのデータを統合することを可能としている。
すべてのデータ資産は、Unity Catalogで管理・保護されるため、企業は信頼性の高い基盤を構築でき、ビジネス上の意味を十分に理解したうえで、大規模な探索的データサイエンスやSQL分析が可能になる。
さらに、「Mosaic AI」でプライベートなSAPデータを学習したドメイン固有のAIを容易に開発できるほか、ビジネス上で最も重要な機能にエージェント・システムを使用することで、重要な活用事例を作り出していくことができるという。
なお、SAP Databricksは、SAP Business Data Cloudの一部としてSAPが販売し、AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloudで順次、提供開始を予定している。